日本再導入されるトヨタ新「ランドクルーザー70」はなぜ乗る人を選ぶ? それでも他のクルマでは味わえない圧倒的な個性とは
カタログモデルとして再々登場するランクル70系の個性
来年2024年は、トヨタ「ランドクルーザー」が誕生して70年目を迎えます。
そんなメモリアルイヤーを前年に控えた2023年8月、ランクルファンにとっては待望のニュースが入ってきました。それは、「ランドクルーザー70」の再々販です。しかも、今回は期間限定販売ではなく、カタログモデルに復帰というのです。

ランクル70系は、排出ガス規制や売り上げ低下の影響で、2004年に一度絶版になりました。しかし、30周年を迎えた2014年に1年間の限定で、バンとピックアップトラックを再販。多くのファンが発注した上に、官公庁も公用車として購入しました。
2015年から施行される新保安基準に通らないということで、1年間限定というイレギュラーな販売方法を採ったわけですが、それがかえってファンや市場の購買欲を誘いました。その後、中古車市場ではプレミアプライスとなり、一時は700万円前後の価格が付くなど過熱気味となりました。
ファンの間で76(バン)、79(ピックアップトラック)と呼ばれた2台ですが、その中身は決して一般的なクルマではありません。現在のランドクルーザーは、操縦性や快適性という点で幅広い人に受け入れられるように造られています。しかし、70系は1984年に誕生して以来、基本的な設計はほとんど変わっていないクルマ。
それに加えて30周年モデルは、ガソリン消費量の多い4リッターV型6気筒ガソリンエンジンを搭載し、バンもトラックも1ナンバー登録であることから、高速道路料金が中型車枠になるという“使いづらさ”がありました。
さらにMTのみというトランスミッションも、一般的ではない要素でした。
こうした30周年モデルの“不満”を、今回発表された新型70系は改善してきました。エンジンは2.8リッターディーゼルターボに換装して、環境性能と燃費性能を改善。加えて、6速ATにすることで、AT限定免許の人でも70系を楽しめるようになりました。
またリアシートがリクライニングできるワゴンにして、車検スパンが長く、高速道路料金も普通車で通行できる3ナンバー登録になりました。乗用車ナンバーが付いたことで、リアサスペンションのリーフスプリングの枚数を増やし、乗り心地も改善されているといいます。
こうした新型の改良は、これまで70系を敬遠してきたユーザーを改めて呼び寄せることになるはずですが、購入には冷静さが必要です。たしかに、ヘッドライトは現代的な丸形LEDになり、ボンネット形状も最新の歩行者保護基準に合ったものが付いています。しかし、70系は1984年に誕生して以来、その本質は変わっていません。
70系は現在も非常に高い人気の40系の後継モデルであり、そもそも「トヨタジープBJ型」からのDNAを受け継いだ紛れもない実用車です。
世界で活躍している70系を見ると理解できますが、日本のように乗用ユースで使われているケースは希有なのです。まさに“ワークホース”ということができます。
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