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落札価格は6億円! 世界に1台だけの“幻のGT1レーシングマシン”ケーニグゼグ「CCGT GT1」がオークション初登場

テスト走行まで実施した“情熱”のレーシングカー

 この夏、イギリスの自動車の祭典「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」と併催されたボナムズのオークションには、さまざまな名車が登場しました。

 なかでも目を奪われたのは、世界に1台しか存在しないケーニグゼグ「CCGT GT1」でした。

「CCR」をベースにGT1のレギュレーションに適合するレーシングモデルとして開発されたケーニグゼグ「CCGT GT1」(C)Bonhams
「CCR」をベースにGT1のレギュレーションに適合するレーシングモデルとして開発されたケーニグゼグ「CCGT GT1」(C)Bonhams

 ケーニグセグは、1994年にスポーツカー愛好家のクリスチャン・フォン・ケーニグセグによって設立されたスーパーカーブランド。クリスチャン自身が最初のレイアウトを描き、当時はわずかな賃金で手伝ってくれた数人の友人とともに、すべてのモデリングを手作業でおこなっていたそうです。

 今でこそ最先端設備を誇る研究開発部門が存在しますが、当初はひらめきと熱意と想像力で勝負に挑んだのです。そして、最初のプロトタイプが完成したのは1996年。プロジェクト開始からわずか2年後のことでした。

 2007年のジュネーブモーターショーで発表されたケーニグゼグ「CCGT」は、元々ル・マン24時間耐久レースに参戦すべく開発されたもので、当時主流だったLMPプロトタイプカーのFIMレギュレーションに準拠しています。

 なんと同車、従業員たちの通常業務の合間を縫って取り組まれた“サイドプロジェクト”として誕生したといいますから、ケーニグゼグ社内の熱気が伝わってきます。

「CCGT」は、ケーニグセグ「CCR」をベースにしながら、「CCX」に採用されていたパーツを投入したもので、開発中にはGT1クラスのレギュレーションに適合していました。レギュレーションによって、車幅は2mを超えてはならず、コックピットは車幅の70%以上でなければならなかったそうです。

「CCGT」の車重はバラストなしで1000kgを下回り、600kgを超えるダウンフォースを発生させ、5リッターのV8自然吸気DOHCエンジンから600hp以上のパワーを引き出していました。

 駆動力はAPレーシング製のツインディスククラッチとケーニグセグ製/Cima製シーケンシャル・マグネシウム・トランスアクスルを介してリアタイヤに供給され、ダブルウィッシュボーン式サスペンション、プッシュロッド式ガス油圧ショックアブソーバー、空気圧式ピットストップリフトシステム、ラック&ピニオン式ステアリング、軽合金製6ピストンモノブロックキャリパーを備えたφ362mmカーボンディスクブレーキなどが装備されていました。

 カーボンファイバー/ハニカムシャシーの上には、ケーニグセグ-ME-レーシングがホモロゲーションしたフルロールケージを組み込んだカーボンファイバー/ケブラー製2シーターボディが載っています。当初、従来型のギアレバーが装着されていましたが、現在はステアリングホイールに取りつけられたパドルシフトでシーケンシャルギアボックスを操作します。

Nextレギュレーション変更でレース参戦を断念
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