払い下げ軍用車両の「デューンバギー」がオークションに登場! 現存する5台のうちの“希少な1台” 気になる落札価格は約564万円
映画から飛び出してきたかのような軍用「デューンバギー」
イギリスで毎年開催される自動車の祭典「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」。2023年は、併催されたボナムズのオークションに払い下げられた軍用車両が出品され、話題を集めました。

日本では先日、陸上自衛隊の装備品である高機動車が東南アジアに流出している疑いがあるとして話題になったばかりです。陸上自衛隊は、耐用年数を過ぎた高機動車を売却する場合、落札業者に解体や破砕処理を義務づけていますが、実際には解体などがおこなわれず、海外に流出している車両もあるようです。
それに対して海外では、軍用車両は使用期限を迎えると民間に払い下げられるのが一般的。もちろん、武器や無線といった攻撃や機密に関わるものは取り払われて売却されます。ちなみにイギリスでは、王室メンバーだけでなく、女王陛下の車両ですら一般に払い下げられます。
「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」と併催されたボナムズのオークションに出品されたのは、そんなイギリスの軍用車。まるで映画『マッドマックス』から飛び出してきたかのようなこの車両、イギリスのロングライン社が手がけたものだといいます。
ロングライン社は第1次湾岸戦争を前に、イギリス国防総省から砂漠地帯でのSAS(英国特殊空挺部隊)の使用に適した軽攻撃車両を製造するよう命を受けます。なお、ロングライン社は後に、武器・航空機・自動車などのエンジニアリングコンサルタント大手であるリカルド社に買収されました。リカルド社はフェラーリ「456」のオートマチックトランスミッションをフェラーリと共同開発した企業です。
事実上、VW(フォルクスワーゲン)「デューンバギー」の軍用仕様といえるふたり乗りの軽攻撃車両は、ロールケージが一体となったむき出しのチューブラーシャシーを特徴とし、VWのサスペンション部品と、VW「トランスポーター バン」に搭載されていた水冷の1.9リッター水平対向4気筒エンジンを流用していました。
ちなみにシャシーには、“スリングポイント”と呼ばれる牽引フック取りつけ部が設けられており、ヘリコプターによる空輸も可能だったそうです。
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