“由緒正しい”メルセデス・ベンツ「190」がオークションに登場! “F1王者が参戦した伝説のレース”を戦ったオリジナルマシンの正体とは
F1王者たちによる“史上最も華やかなレース”に参戦したマシン
先ごろRMサザビーズのオークションに、1台のメルセデス・ベンツ「190」が出品されました。実はこのモデル、伝説のF1チャンピオンであるニキ・ラウダがステアリングを握った“由緒正しい”「190 E 2.3-16」だったのです。

1984年5月12日、メルセデス・ベンツは過去と(当時の)現在のF1ワールドチャンピオンが一堂に会する史上最大のエキシビジョンレース“ニュルブルクリンク・チャンピオンズカップ”を開催しました。
同レースは、メルセデス・ベンツのスポーツサルーン「190 E 2.3-16」のデビューと、ニュルブルクリンクの最新グランプリサーキットのオープンを記念して開催されたもので、12周で争われました。
5度のF1チャンピオンに輝き、メルセデス・ベンツのブランドアンバサダーを務めていたファン・マヌエル・ファンジオがマスター・オブ・セレモニーを務め、当時、存命していた12名のF1チャンピオンのうちの9名と、往年のF1ドライバー、そしてニュルブルクリンクのエースたち総勢20名が参戦しました。
レースには、メルセデス・ベンツ・スポーツテクニックがレース用にモディファイした当時の最新コンパクトスポーツサルーン「190 E 2.3-16」が用いられました。
メルセデス・ベンツ・スポーツテクニックは、同イベントのために21台の「190 E 2.3-16」を生産ラインから取り出し、エキゾーストシステムとサスペンションのセットアップを変更するとともに、クイックリリースボンネットやキルスイッチを新設。さらに、4ピストン式のフロントブレーキや4.08レシオのファイナルギア、消火器つきボルトオンロールケージ、6点式ハーネスつきレカロ製レーシングシート、ピレリ製レーシングタイヤを履いたワイドホイール装着などのモディファイを施しました。
ポールポジションを獲得したのはアラン・プロスト。しかし、スタート時のニュルブルクリンクは雨だったこともあり、プロストは1周目にエリオ・デ・アンジェリスに追突された上、3周目にはアイルトン・セナによるアグレッシブな走りによってコースアウトを喫します。
レースは残り8周。トップに立っていたセナとラウダによる首位争いが展開されますが、やがてセナがラウダを引き離し、1秒58の差をつけて優勝を飾ります。
バトルを繰り広げたドライバーの名前を見るだけでも鳥肌ものです。
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