スズキの新世代ネイキッドバイク「GSX-8S」街乗りでの印象は? 革新的なバランサーつきエンジンと独自の足回りが操る楽しさを演出
世界初のバランサー機構を採用した新設計エンジン
2023年3月に発売されたスズキの「GSX-8S」は、新開発の並列2気筒エンジンを個性的なデザインの車体に搭載した新時代のネイキッドバイクです。

ヨーロッパでは“ストリートファイター”と呼ばれる人気の高いカテゴリーに属す「GSX-8S」は、2024年に入ってフルカウルをまとったバリエーションモデル「GSX-8R」も国内に導入。ここへ来てさらに注目が集まっています。
「GSX-8S」の車体で目を惹くのは、2灯のLEDが縦に配置されたヘッドライト。この個性的なフェイスと、オフロードマシンでいうところの“シュラウド”のように左右に張り出したラジエーターのカバーが、シャープな印象を生み出しています。
また、シートレールの部分にあえてフレームのパイプを露出させたデザインは、機能美を感じさせるルックスを生み出しています。
搭載されるエンジンは、270°クランクを採用した775ccの並列2気筒。このクランクは2気筒エンジンらしいパルス感をライダーに感じさせつつ、2次振動はキャンセルできることから、近年、多くのモデルに採用されています。
「GSX-8S」はさらに、1次振動を抑制するバランサーを2軸配置。“スズキクロスバランサー”と呼ばれる同機構は世界で初めて市販車に採用されたもので、各気筒の振動をそれぞれ抑制することでスムーズな回転フィールを実現しています。
近年のスポーツバイクらしく電子制御も充実していて、電子制御スロットルやトラクションコントロールシステム、ライドモードの切り替えなどを採用。アップとダウンの双方向に対応したクイックシフターも標準装備しています。
●これまでにない新感覚のエンジンフィーリング
実際に試乗してみて印象に残ったのは、エンジンのフィーリングです。最高出力は80psと、特筆するほどパワフルではありませんが、軽くアクセルを開けただけで力強くマシンを加速させます。
270°クランクの2気筒マシンらしく低回転域からトルクフルですが、新たに搭載されたバランサーのおかげで振動がなく、スムーズに車体を加速させる不思議なフィーリングです。
振動の少なさは4気筒モデルほどではないものの、ヤマハやトライアンフの3気筒エンジンに近い印象。見た目はコンパクトなのにスムーズで力強いという、これまでにないパワーフィールです。
スチール製のフレームに倒立タイプのフロントフォーク、モノショックを組み合わせた車体は剛性感が高く、やや長めのホイールベースと相まって安定感に優れ、タンデムツーリングも快適にこなせそう。
このクラスとしてはサスペンションの想定荷重が高めの印象で、街乗りの速度域ではあまり動かず、少しスピードが乗ったワインディングなどが得意そうです。ブレーキングでしっかりフロントに荷重した方がコーナリング性能を引き出せます。
先鋭的なルックスにマッチした革新的なエンジンフィールと、新世代のスポーツバイクにふさわしいハンドリングを実現した「GSX-8S」。
個人的には、バリエーションモデルである「GSX-8R」にセットされる、フロント荷重を高めやすいセパレートハンドルでとの相性がよさそうに感じました。
走行モードを切り替えればおだやかな特性にも調整できるので、初めて大型モデルに乗る人にもおすすめできるモデルです。
●製品仕様
・価格(消費税込):106万7000円
・サイズ:2115×775×1105mm
・車体重量:202kg(装備重量)
・エンジン:水冷並列2気筒DOHC4バルブ
・総排気量:775cc
・最高出力:80ps/8500rpm
・最大トルク:76Nm/6800rpm
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