最高出力700馬力! “F1でもおなじみ”「マクラーレン」の最新オープン・スーパーカーの実力とは? より艶やかになった乗り味に注目です
第二世代へ進化したマクラーレンの最新モデル「アルトゥーラ」
マクラーレンのカタログモデルで初となるPHEV(プラグインハイブリッド)採用のスーパーカー「アルトゥーラ」。そのオープンモデルである「アルトゥーラ スパイダー」に試乗してきました。

マクラーレンが量販を前提としたスポーツカープロダクションの会社を設立し、初めてのモデルとなる「MP4-12C」を世に問うたのは11年のこと。以来、窓もないほど過激な限定車からラグジュアリーなグランツーリスモまで多面的にバリエーションを広げ、年産5000台規模をうかがうメーカーへと成長しました。
その「MP4-12C」から干支的にはほぼひと回りした2022年に、発売が始まったのが「アルトゥーラ」です。
ひと回り……と記したのには意味がありまして、「MP4-12C」が第一世代とすれば「アルトゥーラ」は第二世代と、そのくらいすべてが変わっています。
パワートレインのPHEV化や新工場での自社生産となる新しいカーボンタブ、車両通信のイーサネット化など、搭載するのはまっさらの技術ばかり。「MP4-12C」のアーキテクチャーがさまざまな発展を見せたように、これらの技術がマクラーレンの次の10年を担っていくことも十分予想できます。
と、そんな「アルトゥーラ」、初物づくしだったこともあって性能安定には時間を要したようですが、ここにきてアップデートプログラムを発表。パフォーマンスアップも含まれるこれは、日本でも既納ユーザーに提供すべく方法などを検討中とのことです。
それと時をほぼ同じくして登場したのが、今回、筆者(渡辺敏史)が試乗した「アルトゥーラ スパイダー」です。
そのルーフシステムは「750Sスパイダー」と同じように、ルーフを180度回転させながら後方へと格納する仕組みで、開閉時間は約11秒。50km/h以下であれば走行中でも開閉操作は可能となります。
ルーフパネルはノーマルのほか、ボタンひとつで透明にも遮光にも切り替えられるエレクトロクロミックガラスルーフもオプションで選択することが可能です。
先のプログラムアップデートによって変わったところといえば、まず挙げられるのがパワートレインのアウトプットでしょう。
搭載されるエンジンはリカルド社が生産を担う120度バンクの3リッターV6ユニット。聞き慣れないバンク角かもしれませんが、V6エンジンにとっては振動面で理想的アングルとされています。
が、これが普及しないのはなぜか? といえば、エンジン本体が幅広になりすぎて、車両への搭載性が悪くなってしまうからなんです。
例えば、フロント側にそれを積んで操舵角も確保しようとすると全幅がとんでもないことになる。要は、車軸が固定されるリア側にしか積めないエンジンになってしまうわけです。
いい換えれば、リアミッドシップを手がけるメーカーにとってはその開発投資は大した障害にはならないわけで、マクラーレンは「アルトゥーラ」でそれを採用しました。
同様に、フェラーリも「296」シリーズで120度V6を採用したのは、ともにエンジニアリング的な理想を追い求めた結果なのでしょう。
●システム最高出力は700psの大台に
で、「アルトゥーラ」シリーズは、件のアップデートでそのM630T型ユニットの最高出力を20psプラスの605psに引き上げました。
ここに95psの駆動用モーターがアドオンされ、システム最高出力は700psの大台に乗せています。
0-100km/h加速は、クーペと同じ3秒フラット。もちろん、クーペとスパイダーとの重量差は約60kgほどありますが、それをものともしない初速の伸びが電気によってもたらされているわけです。
搭載されるモーターは95ps/225Nmで、130km/hまではモーターのみでの走行が可能です。
ちなみに、シートバックに配されるバッテリーの容量は7.4kWhで以前と変わりませんが、マネジメントの変更によってモーターのみでの航続可能距離を33kmと、約1割伸ばしています。
普通充電に対応するほか、ドライブモードを「スポーツ」等にすれば走行中にエンジンのパワーを借りての充電も可能。お出かけ先では思い切り走りを楽しみつつ、行き帰りはご近所周りを静かなモーター走行で……という使い方も可能です。
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