「6速MTに換装!?」セミATのみのアルファロメオ「8Cコンペティツィオーネ」を大改造した「こだわりスペシャリスト」の正体とは
ルックスは変えることなく中身を“最新仕様”に
スイスに本社機能を構え、イタリア・トリノのピアネッツァに工房を構える“レストモッド”のスペシャリストがオフィチネ・フィオラヴァンティです。
そんな同社が新たに手がけたのが、アルファ ロメオ「8Cコンペティツィオーネ」。アップデートされたインテリアが目を惹く1台ですが、なんといっても注目はMT化されたトランスミッションでしょう。

レストモッドとは“レストア”と“モディファイ”を組み合わせた言葉。古いクルマにレストアを施しながら、現代技術でアップデートを図る改造を施す、という意味です。
オフィチネ・フィオラヴァンティはSNSの運用が巧みで、自社でレストモッドした車両をきれいな写真に収め、小出しに情報を発信しながらバズらせています。
2021年にフェラーリ「テスタロッサ」のレストモッドで注目を浴びた同社。そのエクステリアはほとんどオリジナルのままでしたが、唯一、走行性能を向上させるべく手を加えられた箇所がありました。
なんとそれが、わざわざオリジナルのデザインを踏襲した軽量の大径アルミホイール。フロント17インチ、リア18インチの特製ホイールを製作したのです。その結果、現代の高性能タイヤを装着することが可能となりました。
併せて、足回りもアップグレードされています。
サスペンションには、同社が開発したオーリンズ製の電子調整式ショックアブソーバー(フロントにはリフト機能つき)を採用。
またブレーキも、フロントに6ピストン、リアに4ピストンのキャリパーを備えたブレンボ製ディスクブレーキに置き換えられ、制動能力が引き上げられています。
同時に、ブレーキシステムにはABSを装備(ベースの「テスタロッサ」は非装備)。ノーマルからウエット、スポーツからレースまで12種類のモードで介入具合を調整でき、完全に解除することも可能となっています。
さらに、トラクションコントロールもプラスされていて、センターコンソールに設けられたコントロールユニットからリアルタイムで変更できるようになっています。
気になるエンジンも大幅に改良。最高出力を390psから510psへと引き上げたほか、最大回転数も9000rpmまで回るようになっています。
なお、同社によるサーキットでのテストでは、323km/hという最高速をマークしたといいます。
ホイールくらいしか変更されていないエクステリアに対し、インテリアはオリジナルのデザインを重んじながら大幅に刷新されています。
レザーはより上質のものに張り替えられ、プラスチック部品はすべてソリッドなものへと変更されています。
また、最新世代のプレミアムオーディオシステム、USB-C充電ソケット、Apple Car play対応のカーステレオ、限られたスペースにフィットするラゲッジキットなど、アクセサリーも充実しています。
なかでも、筆者が個人的に“刺さる”のは、1980年代の自動車電話です。スマートフォンをBluetooth接続することで、実際に通話できるという代物です。
●セミATのみの「8Cコンペティツィオーネ」を6速MTに換装
そんなオフィチネ・フィオラヴァンティが最近、SNSでバズらせているのが、アルファ ロメオ「8Cコンペティツィオーネ」です。
「8Cコンペティツィオーネ」といえば、2007年から2010年までの間、わずかに829台(クーペ/スパイダー)しか生産されなかったスペシャルモデル。最近は30万ドル(約4417万円)を超える価格で取り引きされています。
「8Cコンペティツィオーネ」が搭載していたのはマセラティ「グラントゥーリズモ」(後期モデル)と同じ4.7リッターエンジンでしたが、最高出力が高められ、最大トルクは低められていました。そして、トランスミッションは、6速セミATのみという設定でした。
ここに目をつけたのがオフィチネ・フィオラヴァンティ。おそらくは顧客のオーダーによるワンオフなのでしょうが、「8Cコンペティツィオーネ」のトランスミッションを6速MTに換装しているのです。
昨今、値上がりが激しい「8Cコンペティツィオーネ」ですが、クラシックカーのオークションでは一般的に、“純正”が好まれます。6速MT化された「8Cコンペティツィオーネ」が今後、どのような評価を受けるのか見ものですね。
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