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「えっ、高速料金も割引されるの!?」メリットあるのに なぜなかなか普及しない!? 「ETC2.0」って普通のETCとはどう違う?

道路とクルマが双方向通信する「ETC2.0」

 NEXCO各社の料金検索サイトにアクセスし、流入するICおよび流出するICを指定すると、その間の経路や想定所要時間、通行料金を案内してくれます。

 さらに料金については、現金での通行料金に加え、ETCでの通行料金、さらに利用する曜日や時間帯をもとにした「休日割引」「深夜割引」など、ETC割引が適用される場合の料金も表示されます。

 ただこのとき、ETC料金に並び「ETC2.0料金」の表示があるのを目にして、「ETC2.0って何だろう?」と思った人もいるのではないでしょうか。

いまや利用率が95%となったETC。高速道路を走行するクルマのほとんどがETCを使っているが、「ETC2.0」とはどんなものなのだろうか
いまや利用率が95%となったETC。高速道路を走行するクルマのほとんどがETCを使っているが、「ETC2.0」とはどんなものなのだろうか

 ETCは、その略称のもとなった英語での名称「Electric Toll Collection System」が示すとおり、有料道路の料金収受システムとして開発されました。

 一方、ETC2.0は、その料金収受システムの機能を引き継ぎつつ、路上に設置された通信アンテナ「ETC2.0路側機」が、ETC2.0に対応する車載器と高速大容量の「DSRC通信方式」によって双方向通信し、ETCにはなかった新たなサービスを提供するものです。

 たとえば道路交通情報については、ETCがFM多重放送による「VICS WIDE」で都道府県単位の道路情報を、光ビーコンで前方30km、後方の主に一般道の情報を提供していましたが、ETC2.0では電波ビーコンにより前方1000kmの主に高速道路の情報が提供され、広域の迂回も可能となっています。

 また見通しの悪いカーブの先での渋滞、高速道路上の落下物なども、ドライバーにリアルタイムで伝えることで、安全運転をサポートします。

 さらにETC2.0のメリットは、ドライバー向けのサービスだけではありません。双方向通信を生かし、クルマの走行経路などを収集して蓄積することが可能で、それらのデータの分析により危険箇所での交通安全対策や、災害時の通行可否情報などに役立てるなど、交通政策の高度化にも大きく貢献することになるのです。

 このようにETCから大きく進化したETC2.0は、利用者にとって、金銭的なメリットもあります。まずは、冒頭でご案内した高速道路の通行料金の割引です。

 渋滞に悩む都市圏の高速道路では、対策として「通過交通の抑制」が急務になっています。その具体的な方策として効果があるのが、「通過交通の環状道路への誘導」です。

 ただ多くのドライバーは「より距離の短いルート」を好むため、環状道路に誘導するには、なんらかのインセンティブが求められます。

 そこで導入されているのが、ETC2.0のみを対象とした割引です。

NextETC車載器の“価格差”が大きなネック
Gallery 【画像】高価な「ETC2.0」車載器に交換するメリットはある!? 写真で見る(20枚)

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