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マルチツールの最適解!? 刃物の街・関で使い比べてわかった最新“レザーマン”の熟成度とは【Behind the Product #17】

●持つべき人に持ってほしい本物の魅力

 プライヤー付きマルチツールの元祖にして、そのリーダーであり続けるアメリカ・オレゴン州ポートランドに本拠地を置く「LEATHERMAN(レザーマン)」。

 マルチに使える多機能だけでなく、25年という保証期間が証明するヘビーデューティーさが魅力です。

レザーマンの最初の一本にオススメの「プロツール」たち。写真左から順に、初期モデルの流れをくむ「リーバー」、世界で最も売れているプライヤー付きマルチツールの「ウェーブ プラス」、ハイエンドモデルの「アーク」
レザーマンの最初の一本にオススメの「プロツール」たち。写真左から順に、初期モデルの流れをくむ「リーバー」、世界で最も売れているプライヤー付きマルチツールの「ウェーブ プラス」、ハイエンドモデルの「アーク」

 とはいえ、なにしろ種類が多すぎてモデル選びも一苦労なのも事実。わからないことは“中の人”に聞くのが一番! ということで、岐阜県の関にある国内代理店「レザーマンツールジャパン」を訪れ、広報担当の和田将尭さんに話を聞きました。

●MADE IN JAPANのレザーマンがあったってホント?

VAGUE:レザーマンの歴史は、創業者がクルマで訪れたヨーロッパの旅から始まったと聞いています。

和田さん:1976年に欧州を妻と旅していたティム・レザーマンは、運悪くレンタカーやホテルの水道の故障に遭遇。「緊急時にはプライヤーを装備したマルチツールが必要」と気づき、段ボールや木片でプロトタイプを作りドライバーなどを内蔵した理想のマルチツールの姿を模索し始めます。

VAGUE:プロトの写真を見ると現在のレザーマンの片鱗がすでに伺えます。マルチツールの主役をプライヤーにするという発想がすごい。アウトドアでは「掴む」という動作は意外と便利です。

和田さん:ティムは金属加工を学びながら開発を続け、1983年に「ポケット・サバイバル・ツール(PST)」を完成させます。「PST」は1984年、大手通販会社のクリスマスシーズンのカタログに掲載され、ギフトとして大人気に。1年で約3万本が売れるという大ヒットとなりました。

写真上がアメリカ本国製のPST、下のツールが関で組み上げた日本製
写真上がアメリカ本国製のPST、下のツールが関で組み上げた日本製

VAGUE:初期のレザーマンの成り立ちには、日本の工場が大きく関わっていたとか。

和田さん:PSTの製造はアメリカ国内だけでは追いつかず、レザーマンツールジャパンの母体である三星(みつぼし)刃物にOEMの依頼があったんです。この2つのPSTのどちらが日本製かわかりますか?

VAGUE:カシメのパーツが違うようですが、ブレードに「MADE IN JAPAN」の文字があります! 関市の刃物メーカーはスパイダルコやファルクニーベンなど、海外の一流ブランドをOEMで支えて来たと聞いてはいましたが、レザーマンもそうだったとは意外でした。

和田さん:プライヤーは新潟の燕三条、ヤスリは広島、熱処理は長野、そしてナイフのブレードはここ関で作られ、各パーツを集めて組み立ててポートランドへ送る。そういった日本国内での製造の仕組み作りを三星刃物が担当していたんです。

VAGUE:現在レザーマンはすべてポートランド製ですが、MADE IN JAPANの確かな品質でPSTを安定供給することで、関のブランドがレザーマンの黎明期を支えたんですね。

和田さん:そういった信頼関係もありティムの出資を受け1986年、ここ三星刃物の敷地内に単なる輸入代理店でない組織としてレザーマンツールジャパンが設立されたんです。レザーマンツールジャパンでは工具としての精度が高いモデルを「プロツール」と呼んでいます。今回はプロツールを代表する3つのモデルの特徴をご紹介します。

●迷ったら「WAVE+」を選ぶ理由

VAGUE:レザーマンには40種以上のモデルがあります。アウトドア用に最初の一本を選ぶならどのモデルが良いのでしょうか?

和田さん:プライヤー付きマルチツールをざっくり分けると「PST系」「WAVE系」「FREE系」の3つになりますが、結論から言ってしまうと18の機能を持つプロツールの定番モデル「WAVE+(ウェーブ プラス)」ですね。

“史上最も売れたプライヤー付きマルチツール”こと「WAVE+(ウェーブ プラス)」
“史上最も売れたプライヤー付きマルチツール”こと「WAVE+(ウェーブ プラス)」

VAGUE:即答ですね(笑)。自分もメインに使っているマルチツールなので納得感があります。ハンドルを展開しないと全てのツールにアクセスできないPSTと違い、プライヤーを収納した状態でナイフやノコギリ、ヤスリなど“長物ツール”が使えるのがすごく便利です。

和田さん:1998年に誕生した「WAVE」は、世界で最も売れたプライヤー型マルチツールで、「WAVE+」は発売20周年の2018年にアップグレードしたWAVE系の最新モデルになります。

VAGUE:「+(プラス)」の意味は?

和田さん:レザーマン最大の特徴はプライヤーですが、ワイヤーを切るカッター部は硬く太い物を繰り返し切ると少しずつ摩耗してしまいます。そこで、刃の部分だけを別パーツ化して交換できるようにしました。現行のプライヤー付きモデルにはすべて採用されています。

●LEATHERMANの40年間を凝縮したハイエンド

和田さん:現行のハイエンドモデルが、20の機能を持つ「ARC(アーク)」です。創立40周年を迎えた2023年に登場したモデルで、レザーマンの持てる技術とノウハウを惜しみなく投入しています。

ハイエンドモデルの「ARC(アーク)」には、11本の替えビットとホルダーが付属します
ハイエンドモデルの「ARC(アーク)」には、11本の替えビットとホルダーが付属します

VAGUE:美しい曲線を描くWAVEに比べ、直線を活かした造形はPSTを彷彿とさせるスタイルです。

和田さん:2019年に登場した「FREE(フリー)」のために開発されたマグネット式のロックシステムを採用することで、ワンハンド(片手)で開閉ができます。そして、すべてのサブツールが、プライヤーのハンドルを折りたたんだままで使用することができます。

VAGUE:極めて軽快な操作感はさすがハイエンド。FREEシステム以前のモデルにはないスムーズさで、ツールの出し入れも圧倒的に簡単です。

和田さん:“工具は使えれば十分”という考えから一歩進化させたわけです。素材にも気を配っており、ナイフのブレードにはMagnaCutという、切れ味や耐久性などがずば抜けて高い最新のステンレス鋼材を採用。MagnaCut製のブレードを世界で初めて搭載したマルチツールなんです。

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「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

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