ついに新宿発着へ! 新潟県の“雪まつり”に直行できる年イチの「レア特急」ってどんな電車?
「ほくほく線を走る特急」が復活することにも注目
この列車には、もうひとつの魅力があります。それは、「北越急行ほくほく線を特急列車として走る」ということです。
この列車は新宿駅を出発すると、越後湯沢駅の少し先にある六日町駅まではJRの線路を走ります。
ただ、六日町駅から終点の十日町駅までのわずかな区間は、第三セクターの「北越急行ほくほく線」を走るのです。
「北越急行ほくほく線」は、新潟県の運営する第三セクターの鉄道です。南魚沼市の六日町駅から上越市の犀潟駅までの59.5kmを結んでいます。
六日町駅ではJR上越線に、犀潟駅ではJR信越線とつながっており、多くの列車でそれぞれの路線に直通運転をしています。
この路線は一見すると普通のローカル線のように見えますが、そうではありません。
地図でほくほく線の走っているところを見ると、山の中を一直線に貫いているように見えます。
ほくほく線は列車が高速で走れるように、線路をなるべく真っ直ぐに引こうと設計されました。そのため、トンネルや高架橋を多用した高規格な路線となったのです。
ここで、「なぜ、ほくほく線をわざわざ高規格に設計したのか」という疑問が生まれます。
その答えは、「北陸地方と関東地方を結ぶ役目を担っていた」という過去があったからなのです。
2015年に北陸新幹線が金沢駅まで開業するまでは、北陸地方と関東地方の移動には手間と時間がかかりました。
北陸新幹線ができるまでは、越後湯沢駅まで上越新幹線で向かい、そこからは在来線の特急列車「はくたか号」で上越市の直江津駅を経由して、富山駅や金沢駅に向かうことが一般的でした。
ただ、ほくほく線ができるまでは、長岡駅を経由して大きく迂回するルートを通る必要がありました。
「三角形の斜辺となるルートが存在しなかったため、それ以外の2辺を通るしかなかった」というイメージが適切でしょう。
そこで、「越後湯沢のあたりから直江津のあたりまでをショートカットしつつ、高速で走れる路線」として、ほくほく線は完成しました。
しかし、北陸新幹線の金沢開業とともに、「北陸と越後湯沢を在来線特急で結ぶ」という必要がなくなったため、ほくほく線の特急列車は全て廃止になり、普通列車だけがキビキビと走る路線に変化していったのです。
このような、「特急と共に歩んだ路線」に、年に1度だけ特急列車が帰ってきます。
「十日町を輝かせる雪まつりの日にだけ、十日町の鉄路の象徴たる特急列車が帰ってくる」というもうひとつの魅力が「ほくほく十日町雪まつり号」にはつまっているのです。
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