世界最古のバイクブランド発“空冷単気筒”の乗り味が気になる! 懐古調デザインがおしゃれな最新型「クラシック350」の実力とは?
クラシカルな造形の中に機能性を取り込んで進化
イギリスで創業し、現在はインドを拠点に数々の人気バイクを生産しているロイヤルエンフィールド。同ブランド初のバイクが生産されたのは1901年で、世界最古のバイクブランドとも呼ばれています。

現在も空冷単気筒エンジンをメインのパワーユニットとして生産を続けているロイヤルエンフィールドですが、今回試乗したのは「クラシック350」。ネーミングのとおり、クラシカルなルックスが人気のモデルで、その2025年モデルを東京の都心で乗ることができました。
最新モデルではありますが、見た目は完全に1950年代のクラシックバイクのようなたたずまい。空冷フィンが刻まれた空冷シングルエンジンに前後のスポークホイール、ティアドロップ型のタンクなど、主要パーツだけでなく細部に至るまでクラシカルなデザインとなっています。
ヘッドライトに設けられた“つば”や別体となったポジションランプ、金属製のフェンダーなど、ディテールは過去からタイムスリップしてきたモデルのような雰囲気。セパレートタイプのタンデムシートやキャブトンタイプのマフラーも当時のバイクを思わせるものです。
カバーのついた正立タイプのテレスコピックフォークや、リアのツインショックもクラシカルな雰囲気。これらの装備が“最新”だった時代から継続的に生産されているシリーズのものだと知ると、その見え方が変わってきます。
クラシカルなデザインが魅力的な「クラシック350」ですが、エンジンの設計は新しく現代の排ガス規制にきちんと対応しています。
前後ブレーキもディスク式の上、ABSも装備されているので、安心してライディングを楽しめます。
最新の2025年モデルは、これまでハロゲンだったヘッドライトなどの灯火類がLED化。旧型のクラシカルな灯りも雰囲気に合ったものでしたが、夜間走行時は心許ない印象だったのも事実。安全性の観点では必然の進化といえるでしょう。
シンプルな造形のメーターは、液晶部分にシフトインジケーターを追加。スマホなどを充電できるUSBポートも新設され、利便性が向上しています。この辺りは、ロイヤルエンフィールドがライダーのことを考えるブランドであることの現れといえそうです。
●風を感じられるクラシカルな走り味
エンジンをスタートさせると、レトロなメッキマフラーからパルス感のある排気音が耳に届きます。
単気筒エンジンらしい鼓動も体に伝わって気分を盛り上げますが、不快な微振動はきれいに除去されているのが現代のバイクらしいところです。
発進時の加速は、20.2psという最高出力の数値から予想するよりもずっと力強いもの。ロングストロークタイプの単気筒らしく低回転域でのトルクが厚いので、車体をしっかりと押し出してくれる印象です。
街乗りでも、単気筒らしい鼓動感のある走りを味わえます。ロングストロークでクランクマスが重く設計されたエンジンは、高回転域でのパワーを求めるには不利ですが、低い回転域で走っているときには絶妙の気持ちよさ。
スポーツバイクに比べるとかなり前方にあるステップに足を置き、クッションの厚いシートに腰を降ろしてハンドルを握ると上体が起き、制限速度内で走っていても風を感じられて思った以上にスピード感を味わえます。やみくもに速度を出さなくても、バイクらしく風を感じながら走ることができるのです。
鼓動感や風を感じられるクラシカルなバイクを求めている人は少なくないと思いますが、実際に1950年代に生産された旧車に乗ろうと思うとメンテナンスに想像以上に手間がかかるもの。
その点、ロイヤルエンフィールドの「クラシック350」は、旧車らしい乗り味を残しながらも現代の設計が施されているので安心して乗ることができます。新車から3年間の保証も付帯しているため、クラシックなバイクに憧れている人は一度実車にまたがってみることをおすすめします。
●製品仕様
・価格(消費税込):69万4100円〜
・サイズ:2145×785×1090mm
・シート高:805mm
・車両重量:195kg
・エンジン:空冷単気筒OHC
・総排気量:349cc
・最高出力:20.2ps/6100rpm
・最大トルク:27Nm/4000rpm
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