“昭和”の雰囲気がどこか懐かしい 雪景色の津軽半島を毎日走る元祖「ストーブ列車」の魅力とは? 実際に乗ってみた
車内にダルマストーブがある客車は1948年製
北海道・釧路湿原を走る「SL冬の湿原号」、そして東北エリアの各地を走る臨時列車「びゅうコースター風っこ」と、客車内にダルマストーブが設置してある列車はありますが、その“元祖”といえるのが津軽鉄道の「ストーブ列車」です。

津軽鉄道(津鉄)は、青森県五所川原市にある津軽五所川原駅と、北津軽郡中泊町にある津軽中里駅を結ぶ20.7kmの私鉄ローカル線で、開業は戦前の昭和2年(1927年)11月にまでさかのぼるといいます。ストーブ列車は開業翌月の12月には運行を開始したというから、やはり歴史の重みが違います。そして現在使用されている客車は4代目とのこと。
冬にしか味わえない、そんな津鉄のストーブ列車に乗りに行きました。
ストーブ列車は毎年12月1日から翌年3月31日まで運行され、2024年度は12月29日までは1日2往復、12月30日からは平日・休日とも1日3往復が運行されています。津軽五所川原駅を出発する時間は9時35分発、12時00分発、そして14時40分発の3本です。
じつは6時32分に東京駅を出発する東北新幹線はやぶさ1号に乗ると、スムーズな乗り継ぎで12時00分発のストーブ列車に乗ることができます。9時49分に新青森駅に到着後、9時56分発の奥羽本線普通列車に乗り10時28分に川部駅下車、10時31分発の五能線普通列車に乗れば、11時5分にJR五所川原駅に到着します。津軽鉄道の津軽五所川原駅は、JR五所川原駅の横にあります。
到着した津軽五所川原駅は、もうなんというか、雰囲気ありまくりの駅です。横に開く木製サッシの扉をガラガラと開けて左に歩き、もう1枚の扉を開けると小さな待合室があります。売店では津鉄のオリジナルグッズのほか、日本酒やスルメなども販売されています。
窓口できっぷを購入。渡されたきっぷは厚紙の「硬券」で、こんなところからも懐かしさを感じてきます。終点の津軽中里駅まで乗車券870円、それに加えてストーブ列車券1000円が必要です。
この日は日曜日。14時30分出発の、その日最後のストーブ列車を待ちます。観光バスで駅までやってきた30人ほどのツアー客がストーブ列車に乗り込む、ということで、小さな待合室には多くの人でいっぱいになり駅舎の外にも人があふれる、そんな状況でした。
「満員のストーブ列車なんて風情がなさそう」なんてちょっと危惧していましたが、出発の10分前になり改札が開き、ホームに行ってみると2両の客車が。団体客専用の車両と一般の乗客が乗る客車を分けていました。ネットでの情報では1両の客車をディーゼル機関車のDD350が牽引すると書かれていましたが、どうやら乗客の数に合わせて客車の数をフレキシブルに変えているようです。
また面白かったのがこの客車を牽引する車両。この日DD350は点検中ということで、通常の「走れメロス号」と呼ばれる2両編成の気動車が連結され、計4両編成で運行されていました。
団体客は、1954年に製造された「オハ46」という前の客車に、一般の乗客は最後尾の客車に案内されました。
筆者が乗り込んだのは「オハフ33」という1948年に製造された客車ですが、外観の塗装には相当のヤレが見て取れます。御年77歳という老体に鞭打って、いまも現役で活躍している姿に心打たれます。
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