「ワイヤレスイヤホンはどれも同じ」じゃない! 感動の高音質を奏でるテクニクス「AZ100」が採用した“格上のテクノロジー”とは【Behind the Product #22】
ハイエンドな有線イヤホンの高音質技術をワイヤレスにも採用
先ごろ発売されたテクニクスの新ワイヤレスステレオインサイドホン「EAH-AZ100」(以下、「AZ100」)には、高音質を追求するための、とある新技術が搭載されています。それが業界初の採用となる“磁性流体ドライバー”。果たしてどれほどスゴい技術なのでしょう?

ここへきて、通信環境の発達や映像・音声の配信サービスの拡充、さらには加速するストリーミングサービスの高音質化などを受け、「ワイヤレスイヤホンでも高音質に視聴したい」というユーザーが増えているといいます。
そんなニーズと好相性のワイヤレスイヤホンが、テクニクスから発売されたニューモデル「AZ100」。その最大のポイントは、テクニクスが培ってきた音響技術が余すところなく搭載されている点にあります。
なかでも核となるのが、有線タイプのインサイドホン「EAH-TZ700」(以下、「TZ700」)に採用されて好評を得ている、磁性流体技術を用いた“磁性流体ドライバー”。ワイヤレスイヤホンでは初の採用となる技術です。
「これは、ボイスコイル部に磁性流体を充填して振動板を磁力で制御することにより、音のひずみを小さくしてより原音に近い音楽再生を可能にする技術です」と、同ドライバーのメリットのひとつを解説するのは、音響開発を担当したパナソニックの田中悠さん。
「一般的なドライバーは、振動板とボイスコイルとの中心に磁石があり、磁石とボイスコイルの磁力によって振動板が上下にピストン運動します。その際、振動板は、外周部のエッジだけで支えられています。
それに対して、磁性流体ドライバーはボイスコイルと磁石との間に磁性流体と呼ばれる液体がすき間なく充填されています。これにより、エッジと磁性流体の2点で振動板を支えることができ、振動板をより正確にストロークさせることができるのです。
一般的なドライバーは、ボイスコイルの周囲にある小さな空間で振動板が暴れてしまい、音のひずみが生じがちです。しかし、磁性流体ドライバーはボイスコイルの遊びがゼロなので振動板は上下方向にしか動きません。そのため、ひずみが少なく音源に忠実な音楽再生を実現できるのです」(田中さん)

とはいえ、コンパクトな「AZ100」の筐体に磁性流体ドライバーを搭載するのは「困難なチャレンジだった」と田中さんは振り返ります。
「『AZ100』の小さな筐体には、ドライバーに加えて、テクニクスならではの音響機構、マイク、基板、電池といったワイヤレスイヤホンに欠かせない多数のパーツが内蔵されているので、『TZ700』に使っている磁性流体ドライバーをそのまま流用することは不可能でした。そのため、磁性流体ドライバーの小型化と筐体に合わせた形状のブラッシュアップが求められました。
しかし、“性能を一切落とすことなく”それらの課題をクリアするというのは、非常に困難なミッションでした。そのため、磁性流体ドライバーをワイヤレスイヤホンの小さな筐体に収めようという構想が立ち上がってから最終的な試作品が完成するまで、1年近い歳月を費やすことになりました。
そうした苦労もあってか、最終の試作品で初めて音楽を聞いたときは非常に感動しましたね。完成したという達成感も相まって、それまでにない感覚を味わうことができました」
●ドライバーとの相乗効果で高音質を生む新“コンチャフィット形状”
そんな「AZ100」の高音質は、「実は磁性流体ドライバーだけで具現したものではありません」と話すのは、機構開発を担当したパナソニックの竹重亮太さん。
「ワイヤレスイヤホンの場合、実は音質と装着性が非常に密接な関係にあります。いい音を奏でられる機構が出来上がったとしても、イヤホン自体をしっかり確実に装着できなければ、ユーザーへいい音を届けることはできないのです」
そこで「AZ100」は、装着性を向上させるべく従来モデルから“コンチャフィット形状”をブラッシュアップさせたといいます。
「“コンチャ”とは耳の凹みのこと。従来モデルでは耳との接触圧が比較的大きくなっていた箇所があったのですが、それを分析することで外径経路を見直しました。結果的に、全体の体積を10%ほど、本体の質量を16%削減することができ、さらなる装着感の向上を実現しています」(竹重さん)

とはいえこちらも、開発は一筋縄ではいかなかったと竹重さんは振り返ります。
「3Dプリンターを使い、装着性を確認するためのモックを何種類も製作しました。そしてそれらを、社内のテスターの皆さんに実際に装着してもらい、装着感に対するヒヤリングを繰り返しました。こうした細かい作業を経て、形状の微調整を図っていったのです」
装着性の向上と小型化を追求した新“コンチャフィット形状”は、長時間装着しても疲れにくいとテスターたちから好評。低音域から高音域まで臨場感あふれる高音質を楽しめる「AZ100」の名脇役となっています。
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演奏家があたかも目の前に存在し、そこで楽器を弾いているかのような臨場感豊かな音を再現したい。そして、豊かな音を生み出す演奏家たちの思いまでをも届けたい……これはイヤホンに限らず、テクニクスのオーディオ機器に共通する開発ポリシーだといいます。
「AZ100」を始めとするテクニクスの再生機器が紡ぎ出す“音の感動”。それが具現される背景には、これまでの開発で培われてきた確かな技術力と開発陣の飽くなき挑戦が息づいているのです。
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