VAGUE(ヴァーグ)

世界で2台しか作られなかった! 70年前の希少な「シボレー・コルベット」レースカーがオークションに登場 気になる落札予想価格とは

「スーパースポーツ」を意味する「SS」の名が付けられた

 まもなく米国のマイアミで開催される、RMサザビーズのオークションに、インディアナポリス モータースピードウェイ博物館から、1957年型のシボレー コルベットSS「プロジェクトXP-64」が出展されます。どんなクルマなのでしょうか。

オークションに登場した1957年式「シボレー・コルベットSS プロジェクトXP-64」shooterz.biz(c)2024 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに登場した1957年式「シボレー・コルベットSS プロジェクトXP-64」shooterz.biz(c)2024 Courtesy of RM Sotheby's

 1953年1月、ニューヨークで開催されたゼネラルモーターズ(以下、GM)のショーで、初代「コルベット」プロトタイプが世界初公開されました。

 コルベットは、GMの「シボレー」ブランドが初めて送り出したスポーツカーでした。

 初代コルベットは爆発的な人気モデルとなりました。レースにも参戦しましたが、成績は今ひとつでした。

 そこでシボレーは、レースでフェラーリやジャガー、マセラティ、アストンマーティンなどと対等に戦える、専用のレーシングカーの開発を始めます。

 コルベットでのレースを指揮していたゾーラ・アーカス=ダントフ氏は、GMのトップから承認を受け「プロジェクトXP-64」と呼ばれるレースカーの製作を始めました。

 これはのちにコルベットSS(スーパースポーツ)と名づけられ、2台が製作されました。1台は競技と展示用、もう1台はテスト用のプロトタイプでした。

 メルセデス・ベンツ「300SL(ガルウイング)」と同様のパイプフレームの重さは、わずか180ポンド(約81kg)しかありませんでした。

 GMのスタイリング部門によって製造されたボディは軽量マグネシウム製で、空力特性に優れたものでした。初代コルベットと同様の「歯」付きグリルも備えていました。

 インテリアでは、2つのスポーツシートが備わり油温/水温/油圧などのメーターがレイアウトされ、飛行機のようなキャノピーも独特でした。

パワーユニットは、283キュービックインチ(約4.6リッター)のV型8気筒OHVで、多くのアルミ製パーツやシボレーのラムジェット燃料噴射システムを採用していました。

 最高出力は300馬力を発生し、ヨーロッパのスポーツカーと戦うのに十分なパワーでした。組み合わされるトランスミッションはオールシンクロメッシュのクロスレシオ4速マニュアルでした。

 図面製作からテストまで、わずか5か月で完成したコルベットSSは空力的で軽量なデザインを誇り、その車両重量は初代コルベットより1000ポンド(約450kg)ほど軽い、1850ポンド(約833kg)でした。

 このコルベットSSは1957年のセブリング12時間に参戦しましたが、サスペンショントラブルでリタイアしました。

 その後、GMの方針でコルベットSSはレースに出ることはなく、GMが所有したままイベントなどで展示されていました。

※ ※ ※

 1967年にインディアナポリス モータースピードウェイ博物館に寄贈され、多くのレーシングマシンとともに展示されていました。

 コルベットSSは、市販のコルベットとはまったく別のクルマです。

 2台製作されたうち、見事なマグネシウムのボディワークで完成し、モータースポーツ競技に参戦したのは、今回出展された1台だけです。

 1957年初頭にデビューした市販車ベースのショーカー「コルベットSS」と並んで、今もシボレーの高性能車が誇らしげにつける「SS」の名を世に知らしめたのです。

 わずか5カ月ほどという開発スケジュールは、XP-64プログラムに携わった才能あるエンジニアと製造者のビジョンと才覚を物語っています。

 また、コルベットSSの開発途上でシボレーがレースから突然撤退しなければ、このクルマはレースでどれだけ活躍したかを憶測せずにはいられません。

 伝説的な実験車であり、伝説的な人物であるゾーラ・アーカス=ドゥントフ氏が構想し、設計した、1957年型のシボレー コルベットSS「プロジェクトXP-64」。

 オークションでの落札価格は、500万USドル〜700万USドル(1USドル=153円として、約7億6500万円〜約10億7100万円!)と予想されています。

Gallery 【画像】アメ車好きにはたまらない1台!? 世界に2台しか存在しない70年前の「シボレー・コルベット」を写真で見る(22枚)
「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

VAGUEからのオススメ

“時を愉しむ”という究極の贅沢――カンパノラ「星響」と巡る、足利・静寂とウェルネスの旅【PR】

“時を愉しむ”という究極の贅沢――カンパノラ「星響」と巡る、足利・静寂とウェルネスの旅【PR】

RECOMMEND