VAGUE(ヴァーグ)

6点式レーシングハーネスを装備!? ルームミラーもなし! 究極の“ハンドリングマシン”アルピーヌ「A110 Rチュリニ」に乗ってみた

一流パーツメーカーがアルピーヌに寄り添った

 速度域が上がるにつれて、A110 Rチュリニはより本領を発揮します。まるでクルマの重さを感じさせず、ドライバーの操作に対してダイレクトに反応します。軽い感覚だけれど、どっしりとした直進安定性もあるのはエアロパーツのおかげでしょうか。サーキットへ行けば、よりその性能を味わうことができるはず。しかし、意のまま操れる快感は、ストリートでも鮮明に体感できます。

アルピーヌ「A110 Rチュリニ」
アルピーヌ「A110 Rチュリニ」

その俊敏な乗り味を、さらに濃密にしてくれるパーツメーカーたちも見逃せません。彼らは専用パフォーマンスパーツを開発し、このA110 Rチュリニにも装着されています。

足もとを支えるのはO.Z(オーゼット)Racingホイール。その名も「O.Z ESTREMA FORGIATA ALPINE A110(オーゼット エストレーマ フォルジアータ アルピーヌ A110)」です。A110 RチュリニはBWTアルピーヌF1チームのノウハウを駆使して仕上げられたように、O.Z Racingもまた同じ。世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラスに参戦するアルピーヌA424が装着するレーシングホイールに着想を得て、その技術をストリートカーへと持ち込んだハイエンド鍛造ホイールです。

 アクラポヴィッチのエキゾーストシステム(マフラー)も見逃せません。彼らはスロベニアに本拠を置くエキゾーストメーカーで、自動車メーカーのホットモデルに純正採用されたり、メーカービルドのレーシングカーに使われてきました。持ち前のチタンエキゾーストシステムは、性能至上主義ながら、芸術品のように美しい仕上げや、つい聴き惚れてしまうような快音もまた魅力。

 右足の動きと呼応して、管楽器のように澄んだ音色を奏でてくれて、スポーツモード以上だと積極的に「パンパンッ」とバブリング音まで放ちます。重量はわずか8.2kgで、純正比でマイナス3.5kgという軽量性能も見逃せません。軽量化に全精力をかけたA110 Rチュリニとは同じベクトルです。

アルピーヌ「A110 Rチュリニ」
アルピーヌ「A110 Rチュリニ」

軽量化にエアロに、足まわりにマフラーに――。と、アルピーヌという自動車メーカーがみずからチューニングをしたようなA110 Rチュリニは、やはり唯一無二のラディカルなスポーツカーでした。昔、スポーツカーで走りまくり、改造しまくってきたクルマ好きたちは郷愁を感じ、新しい世代にとってはとびきり新鮮に映るかもしれません。それはまるで、電動化だ自動運転だという時代が本格化するギリギリのタイミングで、昔ながらのスポーツカー愛好家たちに向けた、アルピーヌからの贈り物のようでした。

Gallery 【画像】「えっ!…」これが究極の“ハンドリングマシン”アルピーヌ「A110 Rチュリニ」です(45枚)

page

  • 1
  • 2

VAGUEからのオススメ

マザー・オブ・パールが詩情豊かに輝く――大人の夜を彩るブローバ「マリンスター」日本限定モデルの魅力とは【PR】

マザー・オブ・パールが詩情豊かに輝く――大人の夜を彩るブローバ「マリンスター」日本限定モデルの魅力とは【PR】

RECOMMEND