渾身の商品改良でフォルクスワーゲン「ゴルフ」が全方位的に進化! 新しい「世界の定番コンパクト」はガソリンターボの走りが魅力
ガソリン、ディーゼルともに完成度が高まった新エンジン
そのうち今回は、150ps仕様のガソリンターボを積む「eTSIスタイル」(消費税込443万7000円)と、150psのディーゼルターボを搭載する「TDIスタイル」(同463万8000円)の2台に試乗しました。

ガソリンターボ車をドライブしてひしひしと感じたのは、エンジンの出来のよさ。低回転域からフラットにトルクが発生し、アクセル操作に対してリニアにパワーがわき上がってきます。特別にハイパワーというわけではないものの、運転していて不満は一切なし。なんだか妙に心地いい乗り味なのです。
エンジンには、48Vマイルドハイブリッド機構に加え、気筒休止機構やアクセルオフ時にエンジンを停止させて駆動系と切り離す“コースティング”機能など、効率化のためのさまざまなデバイスが備わっていますが、それらの存在は全く気になりません。それらが働いていることに気づかないほど、違和感がないのです。
ドライバーがその気になればスポーティに走れますし、やや野太いエンジン音も魅力的。おまけにハンドリングも、ステアリングを切っていくと自然に向きを変えてくれるなど正確です。それでいて、日常的なシーンでの乗り心地は良好。弱点が見当たらないほどの完成度と評価していいでしょう。
一方のディーゼルターボはどうでしょう? 乗って驚いたのは、その躍動感でした。

2000回転を超えてからのフィーリングは、お世辞抜きに「これでディーゼルなの?」と思うほど、回していって官能性を語れるエンジンです。新しいディーゼルターボエンジンは、排ガスを浄化する“アドブルー”を2か所で噴射して綿密に制御できるようになったことで、“攻めたセッティング”が可能になったのだとか。それがフィーリングの向上につながったことは間違いなさそうです。
ただし、確かにディーゼルターボの完成度は高まったものの、出来のいいガソリンターボ車と乗り比べると、そのメリットが見えにくくなったのもまた事実。ディーゼルターボはトルクが太くて扱いやすいものの、新しいガソリンターボも低回転域からしっかり働くターボチャージャーのおかげで不満はないため悩ましいところです。
もちろん、ディーゼルターボ車には良好な燃費や燃料コストの安さからくるランニングコストの低さといったメリットもありますが、じゃあガソリンターボ車が悪いのかというと、決してそんなことはありません。実際、カタログに記載されるWLTCモード燃費を見ても、ディーゼルターボ車の20.8km/Lに対し、150ps仕様のガソリンターボ車は18.7km/Lと健闘しています。
加えて、ディーゼルターボ車のハンドリングや乗り心地は決して悪くはありませんが、乗り比べるとガソリンターボ車の方にアドバンテージがあるのは否めません。正直なところ、今回の試乗車どうしの価格差(20万円強)と天秤にかけると、新しい「ゴルフ」の総合的な実力は、ガソリンターボ車の方が上だと確信しました。
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決して特別なメニューではないものの、毎日食べたくなる美味な白米……新しくなったVW「ゴルフ」は、まさにそんなクルマです。
決して派手さはないけれど、基本がよくできていて味わい深く、飽きがこない。毎日をハッピーにしてくれる“幸せの素”のようなエネルギーを秘めたクルマでした。
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