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自然吸気V12の“天使の歌声”を生で味わえる! フェラーリ新型「12チリンドリ・スパイダー」乗ってわかった“クーペとの違い”とは

自然吸気V12エンジンの魅力を存分に味わえる

  フェラーリ12チリンドリ・スパイダーの国際試乗会がポルトガルを舞台に開催されました。

フェラーリ新型「12チリンドリ・スパイダー」の走り
フェラーリ新型「12チリンドリ・スパイダー」の走り

 そのクーペ版である12チリンドリの国際試乗会は、昨2024年ルクセンブルクで行われました。私は幸運にもその両方に参加できたので、クーペと比較しながら12チリンドリ・スパイダーの魅力を紹介することにしましょう。

 12チリンドリの最大の特徴は、なんといってもそのフロントに搭載された自然吸気V12エンジンにあります。

 フェラーリは1947年にリリースしたデビュー作の125Sにも自然吸気V12エンジンを積んでいたほど、このエンジン形式とは深い縁があります。最新ロードカーのモデル名に12チリンドリ(ドーディチ・チリンドリと発音。イタリア語で12気筒の意味)と、エンジンの形式名をそのまま使ったことからも、彼らが12気筒エンジンに強い誇りを抱いていることがわかります。

 ちなみに、現在も純粋な自然吸気V12エンジンを作り続けている自動車メーカーは、少なくとも年産数千台以上の規模の企業に限っていえばフェラーリだけ。というのも、ほかのメーカーはV12エンジンにターボチャージャーを装着したり、ハイブリッドシステムを組み合わせたりしているからです。

 現在の厳しい排ガス規制を、ターボチャージャーやハイブリッドシステムの助けを借りることなくクリアするのは至難の業。フェラーリはこの困難に、長年培ってきた経験と強い誇りを糧として挑み、見事にクリアしたのです。

 自然吸気V12エンジンの魅力は、乗ればすぐに気づきます。

 まず、背筋がゾクゾクするほど心地よい回転フィールはエンジンを始動した直後から味わえます。

 それも、単純に振動が少ないとかそういうことではなく、いかにも精密な機械が極めて正確なリズムを刻んでいる様子が、そのかすかに伝わるバイブレーションから明確に感じ取れるのです。

 12チリンドリに搭載されたV12エンジンは実に9500rpmまで回り、最高で830psを発揮するほど超高性能なユニットですが、アイドリング状態からゆっくり発進させてもむずかる気配さえ見せず、滑らかに走り出してくれます。

 この辺は、6.5リッターという大排気量ならではの余裕ある低速トルクが威力を発揮しているからかもしれません。ちなみに最高速度はコンバーティブルながら340km/h、0-100km/h加速は2.95秒と、いずれも驚異的なパフォーマンスを誇ります。

 気になるエンジン音は、始動した瞬間に「ブオン!」というサウンドが聞こえるものの、ゆっくり走っている範囲でいえば限りなく無音に近いといっていいと思います。

 それでも、ちょっと加速をしようとしたり、シフトダウンしてエンジン回転数を2000rpm以上まで高めると、「フォーン」という軽い音色が耳に届くようになります。これが3000rpm、4000rpmと回転数を高めていくたびに音色は高音域にシフトするとともに、次第に音量も大きくなっていきます。

 そして、それまではどちらかといえば穏やかに感じられたエンジン音が「クォーッ!」という音色に変わり、一気に気分を高揚させてくれるのは5000rpmを越えてから。そこから6000rpm、7000rpmと回していくと、恐怖とも緊張ともつかない感情があふれ出し、深い陶酔の世界を垣間見ることになります。
 
 その領域でもエンジンからは純粋で抜けのいい音だけが響き渡り、濁った音色はまったくといっていいほど聞こえません。フェラーリ・サウンドを「天使の歌声」と評したくなる所以です。

Next“スパイダー”ならではの心地よさ
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「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

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