“未来のくらしを創造する研究所“の正体とは? “次世代”をデザインするパナソニック「FUTURE LIFE FACTORY」の存在理由【Behind the Product #23】
開発現場とは異なる環境だからこそ生まれるユニークな発想
ラボをめぐっていると、「こんな商品がもしあればぜひ欲しい!」、「これならすぐ製品へと組み込めそう」といったユニークかつ斬新なアイデアがいくつか目にとまりました。

そのひとつが、日テレR&Dラボとのコラボレーションによって誕生した掃除機やゴミ箱などのアイテム。掃除機を動かしたり、ゴミ箱へゴミを入れたりすると、それぞれ音が鳴るという仕組みです。
「単純な仕組みですが、お掃除アイテムから音が出たり、それぞれが光ったりすることで、子どもたちのモチベーションをくすぐり、より積極的にお手伝いしてくれるようにする、というコンセプトから手がけたアイテムです」(中田さん)
これは、掃除が苦手とかめんどくさいと感じる大人にとっても有効な機能ではないでしょうか。特に日々の掃除では、掃除機をかけてもダストボックス内にホコリが溜まっていくくらいしか、目に見えて分かる“成果”はありません。「よし、掃除したぞ!」という達成感をなかなか得られないので、モチベーションが上がりにくいのが実情です。
そこで、例えば掃除機のホコリセンサーなどと連動させ、吸い込むたびに「ピロン、ピロン!」といった電子音や「ポイント獲得!」という音声が流れたら、掃除が楽しくなりそうです。
そのほか、ヘッド部分が動いてリアルタイムの月の位置を部屋の壁に投射する小型プロジェクター「MEGURU」も魅力的なアイテムでした。
「現在の位置情報と年月日を入れると、『今、ここにあるよ』という感じで、部屋の中にいても月の位置が分かるという仕組みです」(中田さん)
特に冬場は、カーテンや雨戸を早めに閉めてしまうもの。そうして密閉された室内の中にいると、外界とのつながりが希薄になり、時間の感覚も失われがちです。
そんな室内の壁に月の姿が浮かび上がると、正確な時間は分からなくても、時間の経過を“肌”で感じられる気がします。もしかすると「そろそろ寝ようかな」と、時計など見なくても感じられるかも……それって素敵な気がします。
●一歩先の未来を見据えたデザインの研究開発ラボ
一方、ヘッドホンのような形状の食感拡張デバイス「TEXTURE」は、まだまだ研究段階とのことですが、完成した際には必要とする人が多いのでは? と感じました。
「センサーを頬に当てて口を動かすと、口の動きに応じて生じる振動と咀嚼(そしゃく)するような音によって、まるで何かを食べているかのような気分になれるデバイスです。元々、流動食しか採れない嚥下(えんげ)障害の方に使ってもらいたいとの考えから始まったプロジェクトで、約3年前に開発しました」(中田さん)
プロトタイプ発表時には、メディアはもちろんのこと、食品メーカーや大学の研究機関などからも多くの問い合わせを受けたという、反響の大きいプロジェクトだったといいます。

「技術を確立できれば、高齢者の方の嚥下障害はもちろんのこと、ダイエットなどにも活かせるのではないかと思っています。例えば、こんにゃくを食べているけれど、まるでサクサクの唐揚げや天ぷらを食べている気分になれる……といったことも、可能になるだろうと考えています」(中田さん)
昨今、微弱な電流を流して食べ物の塩味をより強く感じさせるスプーンなど、フードテックが話題になっています。かつては「そんなことが本当にできるの?」と感じたような近未来の技術が、どんどん実際のものになりつつあるのです。
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