VAGUE(ヴァーグ)

“日常を愉しむ相棒”に最適!? 深化と熟成が進んだBMW「3シリーズ」が示した“王道セダン”の完成形とは

BMWらしいライドフィールへ

 日本に導入される「ディーゼルの3シリーズ」は4WD(xDrive)のみ。「FR(後輪駆動)こそBMWの本質にして、駆けぬける歓びが宿る」という意見が根強いなかで、昨今、当のBMWはハイパフォーマンスモデルを中心に、次々と4WD化させています。

改良新型の「3シリーズ 」は、従来型と同様に最新世代の安全機能・運転支援システム「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」が装備され、一定の条件下においてステアリングから手を離して走行が可能です。
改良新型の「3シリーズ 」は、従来型と同様に最新世代の安全機能・運転支援システム「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」が装備され、一定の条件下においてステアリングから手を離して走行が可能です。

 とはいえ、通常は後輪のみにチカラを伝達し、必要に応じて前輪にも配分するFRよりのメカニズムを持っています。なお、BMWの伝統芸である50:50の前後重量配分を守っているところに、彼らの技術と意地を感じます。

 抜群の直進安定性を保ちつつ、ステアリングの応答性はナチュラルなFRカーで、まるで身体の一部になったかのように正確な操縦性を示します。スロットルを踏んでいっても、無粋に前が引っ張られることなく、まるで真下に沈み込むようにしながらトラクションに変えていく様子が顔をのぞかせます。

 カーブの内輪にわずかなブレーキをかけるトルクベクタリングの効果もあるのでしょう。まさに新世代の駆けぬける歓びです。

 インテリアは12.3インチの液晶メーターと、14.9インチのセンターディスプレイをつなげてレイアウトされた「センターカーブドディスプレイ」が目に飛び込んできます。視認性は良好にして、もちろんタッチパネルであらゆる操作が可能になりました。

 しかし、走行中にブラインド操作できるようにと、物理スイッチやiDriveのダイヤルが残されているのがBMWらしい。昔ながらの自動車に乗り慣れた層にも違和感はなく、また、EVやハイブリッドカーで育つ次世代のユーザー層にも受け入れられそうです。

BMWデジタル・キーが標準装備され、車両のキーを持たずに対応のスマートフォンをドア・ハンドルにかざすことで、車両のロック解除・施錠が可能です。
BMWデジタル・キーが標準装備され、車両のキーを持たずに対応のスマートフォンをドア・ハンドルにかざすことで、車両のロック解除・施錠が可能です。

 旧来の内燃機関(エンジン)好きを満足させるだけの完成度を持ちながら、BMWらしい「駆けぬける歓び」は健在で、乗り手に我慢を強いることなくすっと日常に寄り添ってくれる。燃料消費率は15.5km/L(WTLCモード)で、しかもお財布に優しい軽油であることも見逃せません。

 とはいえ、消費税込みの車両本体価格は732万円にして、このファイヤーレッドの個体は、Mスポーツパッケージやファストトラックパッケージ、サウンドパッケージなどオプションがてんこ盛りだったので合計価格は約850万円。これをどう捉えるかは人それぞれ。でも、この熟成極まるパッケージを前にすると、「EVシフト」や「電動化」の世の中を横目に見ながら、自分らしいコダワリの選択肢として長く生活をともにしていたくなるような存在でした。

BMW 320d xDrive M SPORT
BMW 320d xDrive Mスポーツ

・車両本体価格(消費税込):732万円
・全長:4720mm
・全幅:1825mm
・全高:1445mm
・ホイールベース:2850mm
・車両重量:1670kg
・エンジン形式:直列4気筒ターボ
・排気量:1995cc
・エンジン最高出力:190ps/4000rpm
・エンジン最大トルク:400Nm/1750−2500rpm
・燃費(WLTC):15.5km/L
・駆動方式:4WD
・変速機:8速AT

Gallery 【画像】BMWの“王道セダン”が深化! ついに日本上陸した注目の「320d xDrive M Sport」を写真で見る(29枚)

page

  • 1
  • 2

VAGUEからのオススメ

マザー・オブ・パールが詩情豊かに輝く――大人の夜を彩るブローバ「マリンスター」日本限定モデルの魅力とは【PR】

マザー・オブ・パールが詩情豊かに輝く――大人の夜を彩るブローバ「マリンスター」日本限定モデルの魅力とは【PR】

RECOMMEND