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走行距離18万キロ超えなのに高値で落札! 北米オークションに26年前の「スープラ」が登場 人気を支えた“25年ルール”とは

落札額は4万4500ドル(約640万円)

 走行距離は11万6000マイル(約18万7000km)に達しますが、ACTクラッチアセンブリとフライホイールを新品へ交換し、トランスミッション液、ブレーキ液、パワーステアリング液も更新済みで機関面の不安は抑えられています。

米国のオンラインオークションに登場した1999年式トヨタ「スープラ」RZ-S
米国のオンラインオークションに登場した1999年式トヨタ「スープラ」RZ-S

 心臓部の2JZ-GTE VVT-iはツインターボと可変バルブタイミングを組み合わせ、高出力と耐久性を両立しました。

 最高出力は自主規制値いっぱいの280psで、当時の国産スポーツカーを代表する性能を維持します。ゲトラグ製V161 6速MTとトルセンLSDが後輪へ力を伝え、改良後のクラッチにより発進性とシフトフィールが向上しました。

 落札額は4万4500ドル(約640万円)と高額です。

 理由としては、第一に北米では正規販売されなかったVVT-i搭載後期ターボが2024年から25年ルールの対象となり、合法輸入が始まったことが大きく影響しました。

 ちなみにこの25年ルールとは、製造から25年以上経過した右ハンドルのクルマを、アメリカにそのまま輸入できる特別ルールのことです。通常、右ハンドル車はアメリカ国内にそのまま輸入することは禁止されていますが、クラシックカーとして右ハンドルのまま、さらに関税や排ガス規制も対象外になるルールのことをいいます。

 第二にこのスープラが、右ハンドル6速MTという純粋なJDM仕様となっていることが、愛好家の希少性を刺激しています。JDMとは「ジャパン・ドメスティック・マーケット」の略で、とくに北米を中心に、海外で人気のある国産スポーツカーの仕様です。

 さらに修復歴を抱えながらも、的確なメンテナンスと好バランスのカスタムがコレクター心理をくすぐりました。

 入札者は走行距離よりも整備履歴と装備内容を重視し、将来的な価値上昇を見込んだと考えられます。

 A80型スープラは2002年7月に生産を終えましたが、国内外の中古市場で高値で取引されます。

 自然吸気やAT仕様は比較的手が届きやすいものの、それでも価格は上昇傾向が継続しています。特にVVT-i後期型ターボは生産台数自体が限られ、北米流出が加速すると国内相場も押し上げられるでしょう。

※ ※ ※

 今回の競売結果は、長い年月を経てもスープラが持つ走行性能とブランド力が色あせない証です。

 今回の個体のように適切な整備と質の高いカスタムが施された車両は、市場で長期的に支持される可能性が高いです。令和の現在もスープラは世界のスポーツカー愛好家を魅了し続けています。

Gallery 【画像】トヨタ伝説のFRスポーツ 1999年式「スープラ」を写真で見る(25枚)
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