中東で大人気の大型SUV「パトロール」こそ経営再建中の日産に必要では? デカくて速い「憧れの存在」日本市場“再投入”の可能性は
オフローダーと思えないほど舗装路での走りは安定
そんな新型「パトロール」は、走りもフラッグシップと呼ぶにふさわしい完成度を誇ります。

筆者は2024年末に中東のサウジアラビアへ飛び、新型「パトロール」を数百kmに渡ってドライブ。オフロードや砂漠での走りも試してきました。
それはまさに、文句のない出来栄え。しかし、実はそれ以上に印象的だったのが、オンロードでの走行フィール。人が歩けないほどの険しい道もグイグイ前へと進んでいく生粋のオフローダーでありながら、新型「パトロール」は舗装路での走りもハイレベルなのです。
新開発のVR35DDTT型エンジンは、現行の「フェアレディZ」に搭載されるエンジンの排気量アップ版といえるもので、単にパワフルというだけでなく、音やフィーリングもエモーショナル。「もしかしてスポーツカーをドライブしているのでは?」と錯覚するくらい気持ちいいのです。
独自の4WDシステムは、長年、高い評価を獲得してきた日産独自の“アテーサE-TS”と同じ考え方&システムを持ち、そこに専用の“ロックモード”が加わったもの。これが気持ちいいハンドリングに貢献する一方、日本の制限速度を大きく超える超高速域でも抜群の安定感を発揮します。
この領域における新型「パトロール」は、オフローダーと思えないほど走りがビシッと安定しています。
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そんな魅力たっぷりの新型「パトロール」ですが、もし日本で販売するとなると価格は1000万円をオーバーすることでしょう。もちろん気軽に買える存在ではありませんし、それもあって販売台数も限られることでしょう。
だからといって「日本では売らない」というのは、実にもったいない話です。日産の象徴として君臨し、憧れの存在となり、日産のファンをつくっていく……新型「パトロール」ならそんな難しい役目もしっかり果たしてくれると筆者は考えます。だから今こそ、日本市場には「パトロール」が必要なのです。
ちなみに「パトロール」の起源は、警察予備隊(後の自衛隊)に収める車両を考えて欲しいという日本政府からの依頼により、1951年に開発された試作車でした。つまり「パトロール」には、70年を超える歴史があるということも忘れてはいけません。
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