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使用済タイヤを新たな“タイヤの原材料”へ戻すことなんて可能なの!? ブリヂストンが考える「タイヤの水平リサイクル」とは

「精密熱分解によるケミカルリサイクル」とは

 それを実現するためには「精密熱分解によるケミカルリサイクル」が必要になります。

 その実験設備は、ブリヂストンイノベーションパークがある東京・小平にあり、今回はこの施設を見学しました。

 この段階で再生カーボンブラックとタイヤ分解油が取り出せます。この時点ではタイヤ分解油はお醤油のように黒いですが、エネオスの研究部門に渡すと、触媒によってきれいな油(タイヤ由来リサイクルオイル=ナフサなど)になります。

 この精密熱分解のときにも、加える熱の温度や時間によってもリサイクルされるものが変わっていくそうです。これぞ化学であり、理想の形になるまでには数多くの実証実験が必要になるでしょう。

 こうしたタイヤの資源循環に必要なことは何かというと、タイヤのライフサイクルに関わるすべての方の協力が不可欠なのだそうです。

 タイヤを使用するユーザー側にも、この取り組みへの「共感の輪」が広がることがブリヂストンの願いでもあるといいます。
 
 クルマを運転するドライバーの立場に立って「共感の輪」に入ろうとするなら、タイヤを減らさないようにすることも役に立つでしょう。乱暴な運転をしないことはもちろんですが、メンテナンスとしてのこまめな空気圧チェックも忘れてはいけないことです。

 トラック・バスなどの大型タイヤはリトレッドもやっています。リトレッドとは、トレッド部が減った場合に溝がある新品トレッド部だけを貼り付けてまた走るというものです。

 走行スピードが速い乗用車用にはまだ一般化していませんが、大きなタイヤでは常識になっています。ただこれをやるためには普段のタイヤ管理も重要で、土台のタイヤ部分が傷がついているのは使い物にならないケースもあります。

 そして使い終わったタイヤも「資源」ということを忘れずに、廃棄してしまわずに「使用済みタイヤ回収」に回すことも忘れてはいけません。

 カーボンニュートラルも忘れてはいけないのですが、サーキュラエコノミー(循環型経済)も同時に進行していかなければならない時代になったということです。

Gallery 【画像】サステナブルって大事だよね! ブリヂストンの「タイヤ水平リサイクル」を写真で見る(18枚)
こもだきよし
こもだきよし
モータージャーナリスト
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長(2016年〜) 1950年 神奈川県川崎市生まれ 自動車レース、タイヤテストドライバーの経験を経て、1984年から新型車にいち早く試乗して記事を書くフリーランスのモータージャーナリストになる。クルマが好きというより運転することが好きでこの仕事をしている。 世界一の難所と云われるドイツのニュルブルクリンクの北コース(ノルドシュライフェ)を1984年5月に初めて走ってから40年間通い、BMW M社主催のBMW ドライビングエクスペリエンスで、インストラクターとしてドイツ人インストラクターとともに日本人参加者向けにニュルの走り方を伝えている。

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