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67年前に酷評された「ダットサン」がオークションに登場! 「アメリカに初めて上陸した日本車」の価値がついに認められた理由とは?

歴史的価値が評価された貴重な1台

 今回、Bring A Trailerで落札された出品車両は、そんな厳しい時代を生き抜いてきた貴重な1台です。

ダットサン「1000」の210型は1957年に登場。日産が北米市場に進出する際の足がかりとなった
ダットサン「1000」の210型は1957年に登場。日産が北米市場に進出する際の足がかりとなった

 カリフォルニアで長年過ごした後、2011年に現オーナーがハワイへと持ち込み、ていねいなレストアを施しました。

 メタリックグリーンとブラックルーフの組み合わせとなったエクステリアは、ボディのサビの除去と凹みの修復、クロームトリムの再仕上げ、さらに外装の再塗装がおこなわれています。

 一方のインテリアは、オリジナルの雰囲気を保ったベージュとタンのビニール張りベンチシートが配されており、関東精機製の計器類や2スポークステアリングホイールが時代を感じさせます。ただし、ヘッドライナーのはがれや変色など年月の痕跡も残されています。

 オドメーターは5万8000マイル(約9万3342km)を示していますが、現オーナー下では200マイルほどしか走行していないといいます。

 メカニズムの面では、改良型のソレックスキャブレターやMSDイグニッションシステムを新たに装着。売却準備として、ラジエターのオーバーホールやスターターの交換、キャブレターの調整なども実施されたといいます。

 また今回の車両には、サービスマニュアルや関連書類に加え、前オーナーがていねいに保管していたスペアパーツ一式も付属していました。34件という活発な入札合戦の末、最終的に3万5000ドルで落札されています。

 新車時の酷評ぶりとは裏腹に高値で落札されたのは、ダットサン初のアメリカ上陸モデルという歴史的価値が、正当に評価された結果といえるでしょう。

 日本車がアメリカ市場で確固たる成功を収めたその出発点として、この小さな開拓者は今後も自動車史にその名を刻み続けるに違いありません。

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