“ポロ”の次は“クロス”だ! フォルクスワーゲンの新世代EV「ID.クロス コンセプト」世界初公開 全長4.1mのコンパクト電動SUVは2026年市販化予定
改良型プラットフォーム「MEB+」を採用したコンパクトSUV型EV
独フォルクスワーゲンは2025年9月7日、ドイツ・ミュンヘンで開催中のIAAモビリティ2025において、新しいコンパクトSUV「ID. CROSS Concept(ID.クロス コンセプト)」を世界初公開しました。

同モデルは、手頃な価格で電気自動車の普及を目指す戦略の一環として開発されたもので、量産開始は2026年を予定しています。
新型ID.クロスコンセプトは、同社が進めるエントリー向け電動モデル群のひとつです。
すでに発表されている「ID.2all」や「ID. GTIコンセプト」「ID. EVERY」と並び、今回で4台目のコンセプトカーとなります。
量産版の「ID.ポロ」と「ID. ポロGTI」が2026年前半に市場投入される計画で、その後に最終的な市販仕様のID.クロスが登場する見込みです。さらにID. EVERYの量産型も2027年に公開される予定であり、フォルクスワーゲンは小型・コンパクトセグメントにおける電動車ラインアップを急速に拡大しようとしています。
同社CEOのトーマス・シェーファー氏は、「フォルクスワーゲンブランド史上、最高の姿をつくりあげることを目標にしてきた。今回のID.クロスコンセプトはその成果を示すものです」と語りました。新デザイン言語の採用や上級クラスで培った技術の搭載、操作性や品質の向上などを特徴とし、電動化時代にふさわしい「正しい名前」を持つモデルとして位置付けています。
デザイン面では、ヘッドライトやテールランプに独自の3Dライトシグネチャーを採用し、クルマ全体が笑顔のように見える親しみやすさを持たせたといいます。
ボディカラーには「アーバンジャングル・グリーン」を採用し、シンプルかつ力強い造形を強調。Cピラーや直線的なウインドウラインなど、ゴルフやVWバスといった往年の名車を想起させる要素も取り入れられています。
ボディサイズは全長4161mm✕全幅1839mm✕全高1588mm、ホイールベース2601mmで、現行のT-Crossとほぼ同等の大きさです。
専用デザインの21インチホイール「バルボア」と専用タイヤを装着するなど、存在感も際立ちます。コンパクトながら室内は広く設計されており、5人乗車時でも450リットルの荷室容量を確保。ボンネット下には25リットルの追加収納も備えています。
インテリアは「ラウンジスタイル」の快適空間を意識して仕上げられ、温かみのある「バニラチャイ」カラーを基調にした室内は、照明や音響、空調を組み合わせたモードで雰囲気を演出。植物をモチーフにしたデザインや、実際に植栽を取り入れたセンターコンソールが特徴です。

さらにシートは完全フラットにしてベッドのように使うこともでき、移動空間を「くつろぎの場」として楽しめる設計となっています。
操作系では、自然な音声操作や直感的なメニュー構成を採用し、デジタルメーター(11インチ)と中央のタッチディスプレイ(13インチ)を並べて配置。新設計の多機能ステアリングホイールには物理ボタンも組み込まれ、操作性を高めています。
また改良型プラットフォーム「MEB+」を採用。モーターやバッテリー、ソフトウェアを進化させ、従来は上級車でしか提供されなかった支援機能「トラベルアシスト」なども搭載可能としています。
フロントアクスルに新開発の電動モーターとパワーエレクトロニクスを一体化して搭載し、最高出力は155kW(211馬力)。前輪駆動方式を採用し、航続距離は最大420km(WLTP)を想定しています。最高速度は175km/hに設定され、実用性と効率性を両立しました。
牽引性能も備えており、最大1200kgのトレーラー牽引が可能で、ドローバー荷重は75kg。電動自転車を積載したキャリアを搭載できるなど、アウトドアやレジャーにも対応する設計です。
フォルクスワーゲンは、電気自動車のエントリー市場を強化する姿勢を鮮明にしました。セアトやシュコダ、フォルクスワーゲン・コマーシャルビークルズなどを含む「ブランドグループ・コア」として開発を進め、VWグループでの共通化によるコスト削減と規模のメリットを活かして、欧州市場に魅力的で手頃な価格のEVを展開していく計画です。
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