24年前の「真っ赤なフェラーリ」がオークションに登場 限定448台 ピニンファリーナ創業70周年を記念した特別な“オープン・スーパーカー”とは
全世界448台のなかの54番目のモデル
2025年10月10日にベルギーで開催されるブロードアロー・オークションに、2001年式フェラーリ「550バルケッタ・ピニンファリーナ」が出品される予定です。
どんなクルマなのでしょうか。

550バルケッタ・ピニンファリーナは、ブランドの歴史におけるオープントップV12ツアラーの伝統を象徴する1台です。
1957年に登場した「250カリフォルニア」や1969年の「365GTS/4“デイトナ”スパイダー」といった名車の系譜を継ぎ、2000年のパリ・モーターショーで初披露されました。
車名の「ピニンファリーナ」は、この車がカロッツェリア・ピニンファリーナの創業70周年を記念して製作されたことに由来します。1950年代からフェラーリのデザインを担ってきたトリノの名門が、往年の名車を思わせるデザインを現代に蘇らせたのです。
「550マラネロ」をベースにしたバルケッタは、クーペより約125mm低い伝統的なバルケッタ型のフロントウィンドウを備えました。長く美しいボンネットや吸気用のエアスクープなど、基本造形はマラネロのまま。
搭載される5.5リッターV型12気筒48バルブエンジンは485馬力を発揮し、フロントエンジン・リアドライブの純粋なグランドツアラーとしての資質を示します。外観ではツインロールフープ、アルミ製燃料キャップ、フェンダー上の跳ね馬エンブレム、そして5スポークのマグネシウムホイールが特徴的です。
インテリアも特別仕様でまとめられています。カーボンファイバー製レーシングシートが標準装備され、ダッシュボードには特注のブラック・ロリカ素材を採用。センターコンソールやシフトノブにもカーボンを多用し、セルジオ・ピニンファリーナのサイン入りプレートとシリアルナンバーが限定モデルであることを誇示します。
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今回オークションに出品予定の個体は、全世界448台限定のうち54番目にあたるシャシナンバー124032のヨーロッパ仕様。ボディはロッソ・コルサ、内装はネロレザーというクラシックな組み合わせで、マルチピースホイールやフェンダーシールド、カーボン装飾などを備えます。
ヨーロッパ仕様のため、ステアリングは360モデナ由来のスリムなタイプが装着されているのも特徴です。トランクには、専用ソフトトップと収納バッグ、シュドーニ製ツールキット、取扱説明書、タイヤインフレーター、スペアキーなど、当時の付属品がすべて揃っています。
純正の緊急用ソフトトップは最高速度110km/hまでとされ、晴天時の使用が前提でした。しかしこの車両では、現オーナーがアルミ構造と黒キャンバス素材を用いた特注ソフトトップを製作。総額2万5000ユーロを投じて装備されたこの幌により、悪天候下でも快適に走れる実用性を得ています。
記録によると、2001年6月14日にイタリア在住のオーナーにより新車登録。2010年以降はマルカート家のコレクションに加わり、フェラーリ正規サービスセンターで定期的に整備が行われてきました。
直近の2025年5月のメンテナンスではタイミングベルト交換も実施され、総走行距離はわずか29,583km。20年以上を経ても、コレクター品質を維持しています。
550バルケッタ・ピニンファリーナは、伝統のスチール製ゲートシフトと自然吸気V12の咆哮をオープンキャビンで味わえる、最後の特別なフェラーリといえます。後継となる「575スーパーアメリカ」を除けば、このモデルはフェラーリとピニンファリーナの半世紀にわたる蜜月を締めくくる象徴的存在です。
予想落札価格は42万5000ユーロから47万5000ユーロ(1ユーロ177円換算で日本円で約7530万円から8420万円)となっています。
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