令和版「マクラーレンF1」がオークションに登場 ゴードン・マレー最新作「S1 LM」1号車の“驚愕の落札価格”とは
最終的に2063万ドルで落札
2025年11月に米国ラスベガスで開催されたRMサザビーズ主催のオークションで、ゴードン・マレーグループ(GMG)が立ち上げた新たなブランド「ゴードン・マレー スペシャルビークルズ(GMSV)」が開発した世界限定5台のスーパーカー「S1 LM」の第1号車が出品され、高値で落札されました。
いったいどんなクルマなのでしょうか。
現代のハイパーカー史において、マクラーレンF1の誕生は特別な物語として語り継がれています。1980年代後半にF1で黄金期を築いたマクラーレンは、その成功を支えたデザイナー、ゴードン・マレー氏に「公道車を作ってほしい」と依頼しました。この挑戦が、彼にとって新たな創造の舞台となりました。
1991年にマレー氏はマクラーレン・カーズに移籍し、ロードカー開発に専念します。そして誕生したのが、後に伝説と呼ばれる「マクラーレンF1」でした。カーボンモノコック構造や3座レイアウト、ディヘドラルドアなど革新的な要素を備え、BMW製V12は627馬力を発揮し、最高速度391km/hという当時の世界記録を達成します。しかし彼はスピード記録のために設計したのではなく、「最高のドライバーズカーを作る」という信念を貫いたと語っています。
F1はその後「F1 GTR」としてル・マン24時間に挑戦し、1995年に総合優勝を果たして自動車史に名を刻みました。この結果を記念し、特別仕様「F1 LM」が5台のみ製作されました。
2007年、マレー氏は自身の会社を設立し、現在のGordon Murray Automotiveへと発展させました。「T.50」や「T.33」など、軽さとレスポンスを追求したスーパーカーを送り出し高い評価を得ています。そして2024年には特別車を手がけるGMSVを立ち上げ、2025年にその第一弾となる「S1 LM」を発表しました。

S1 LMはF1 LMの精神を現代に再解釈した一台で、カーボン外装の造形やシャシ構造まで徹底的に再設計されています。心臓部にはコスワース製4.3リッターV12を搭載し、1万2100rpmで700馬力超を発生します。
軽量化も徹底され、インテリアは運転の感覚に集中するため6速マニュアルのみが設定されています。シフトノブには水晶が使われ、車の象徴として存在感を与えています。
このプロジェクトはマレー氏が闘病中に取り組んだ特別な作品でもあり、彼自身「大きな支えになった」と語っています。提供される5台のうち初号車のオーナーは、彼や開発チームと直接協働しながら車を完成させる機会を得ることができます。
S1 LMは、走りの純度、造形美、軽量化思想、工芸性、そして希少性を極めた、夢を形にした1台だといえます。
このゴードン・マレー・スペシャル・ビークルズ「S1 LM」の第1号車、落札予想価格は2000万ドル超とされていましたが、最終的に2063万ドル(1USドル=156.7円換算で、日本円で約32億3253万円)で落札されました。
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