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全48台のフェラーリが一斉にオークションに登場! “イエロー多め”で希少なモデルも存在!! 生涯をかけて集められた「偏愛コレクション」の気になる価値とは?

最終生産車&イエロー多めという偏愛コレクション

 2026年1月、アメリカ・フロリダ州のメカム・オークションに、おびただしい数の“黄色いフェラーリ”が出品されます。それは、アメリカ・テネシー州で自動車ディーラーを営んでいた故フィル・バックマン氏のコレクションです。

 バックマン氏が40年以上の歳月をかけて築き上げたフェラーリコレクションの総数は48台(そのうち2台はアルファ ロメオ「8C」)に及び、しかもそのうち24台(1台はアルファロメオ「8C」)のボディカラーが黄色という、世界でも類を見ない統一感を持つものです。

 バックマン氏は、各モデルの最終生産車を好んで収集していたという独特のこだわりの持ち主。「最終生産車こそが、そのモデルを最もよく体現している」という氏の信念は、黄色という鮮やかなボディカラーへの偏愛と相まって、唯一無二のコレクションを生み出しました。

 今回のオークションに登場する車両のコンディションは“博物館級”です。

 1992年製の「F40」(2台)は、走行距離がそれぞれ456マイル(734km)と865マイル(1392km)と極小。

 さらに「F50」は251マイル(404km)、「エンツォ フェラーリ」は645マイル(1038km)、「ラ フェラーリ」は157マイル(253km)、さらに希少な「ラ フェラーリ アペルタ」に至っては96マイル(154km)と、いずれも驚異的な低走行車です。

 そんなコレクションのハイライトは、フェラーリが世界で唯一、黄色に塗装した「FXX」でしょう。バックマン氏が世界各地のサーキットで実際に走らせていた特別な1台だといいます。

 そのほか、バックマン氏のコレクションを眺めてみると、1950年代から2010年代までのフェラーリの全時代が網羅されています。

2026年1月のオークションに出品される故フィル・バックマン氏のコレクション。全48台のうち24台がイエローだという(C)Mecum Auctions
2026年1月のオークションに出品される故フィル・バックマン氏のコレクション。全48台のうち24台がイエローだという(C)Mecum Auctions

 最古の車両は1953年製の「166 MM/53ヴィニャーレスパイダー」で、1960年代の「250 GT/Lルッソ」や「275 GTB/4アロイ」といった名車もそろっています。

●コレクターの終活は世界共通の難題?

 バックマン氏は1967年、29歳にして全米最年少のキャデラックディーラーとなった人物です。

 54年にわたるキャリアの中で、ポンティアック、キャデラック、ビュイック、GMC、ホンダ、トヨタ、サイオン、ダットサン、日産、AMC、ジープ、クライスラー、ダッジ、ラム、ルノー、デロリアンなど、数多のブランドを扱いました。

 ビジネス的に成功を収めていたのはいうまでもありませんが、今回のコレクションはほぼ毎年1台は購入するというペースで地道に築き上げられたものです。

 氏が初めてフェラーリを購入したのは1984年のこと。それは“ジャッロ・モデナ(黄色)”に塗られた「308GTSクワトロバルボーレ」でした。

 このクルマ、妊娠していた妻マーサさんと病院へ急ぐ際に使われ、息子のフィリップさんは、あやうくこのフェラーリの中で生まれるところだったというエピソードが残されているんだそうです。

 そんなフィリップさんも父の影響でフェラーリ愛好家となり、フェラーリクラブ・オブ・アメリカで審査員やレストアラーとして活躍しています。

 バックマン一族は大規模な自動車ディーラーを営んでいるだけに、相続税の支払い能力に問題はなさそうですが、これだけのコレクションを維持するだけの情熱がフィリップさんには足りないのかもしれません。クルマに限らずコレクターの終活、これは世界共通の難題。何より、情熱の継承という目に見えない要素が必要となります。

 コレクターとして生きたバックマン氏の情熱はひとつのガレージに留まるのではなく、世界中へと散らばって新たな物語を紡いでいくことになりそうです。それもまた、美しい継承の形といえるのではないでしょうか。

Gallery 【画像】「えっ…!」全48台のフェラーリを一挙に出品! これが最終生産車&イエロー多めの偏愛コレクションです(30枚以上)

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