トヨタの次世代スーパーカーは“こだわりのパワートレイン”を搭載!“公道を走るレーシングカー”「GR GT」が採用した「モーターだけでは走れないハイブリッド」とは
ポルシェの“T-ハイブリッド”は意識していない
ちなみに、「GR GT」のトランスミッションにトルコンレスATを採用した理由は、駆動系の慣性モーメントを小さくし、レスポンスや加速性能、そしてダイレクトな変速を実現したかったため。
簡単にいうと、軽量なフライホイールを装着したかのような効果をねらってのトルコンレスATの採用ですが、ストリートカーとして成立させるために、「GR GT」はトルコンレスAT+ハイブリッドという組み合わせを選択したのです。
また「GR GT」のハイブリッド機構は、発表時のプレゼンテーションで強くアピールされていた“ドライバーファースト”という思想にも役だっています。
開発陣によると、4リッターV8ツインターボエンジンは「ストリートカーとして見ると低速トルクやピックアップ、ターボラグなどに難点があった」とのこと。この“足りないと感じた部分”をモーターで補うことで、より扱いやすく、クルマと対話がしやすい“ドライバーファースト”なパワートレインとなっているのです。
なお、レーシングマシンの「GR GT3」は、「GR GT」と比べて軽量であること、そして、サーキット走行では低回転域はあまり使わないといった理由から、ハイブリッド機構は搭載されていません(もちろん規則の問題もあります)。
コントロール性を向上させて低回転域でのトルクを補う“スポーツ走行のためのハイブリッド”と聞くと、あるシステムを思い出す人もいるかもしれません。そう、ポルシェが「911GTS」や「911ターボ」に搭載している“T-ハイブリッド”です。

トヨタの開発陣に「“T-ハイブリッド”は参考にしたのですか?」と意地悪な質問をぶつけてみたところ、リアクションは「えっ、ポルシェにそんなハイブリッドがあるんですか?」というものでした。
走りを追い求めたら偶然、似たような発想のハイブリッドシステムになっただけで、意図的に意識した部分はないようです。
開発の初期段階では、モーターパワーをブースト的に使うハイブリッドシステムも検討されていたという「GR GT」ですが、“ドライバーファースト”の発想を追求するに当たり、現在の方向性へと落ち着いたようです。
元々は燃費向上のために誕生したハイブリッドというメカニズムですが、約30年の月日が流れ、これからはクルマの速さとコントロール性向上のための新たな武器となるようです。
page
- 1
- 2
VAGUEからのオススメ
“時を愉しむ”という究極の贅沢――カンパノラ「星響」と巡る、足利・静寂とウェルネスの旅【PR】