“エンジン搭載アルピーヌ”の終着点! 生産終了を控えたミッドシップスポーツ「A110」で実感した“軽さとしなやかさ”が生む走る楽しさとは?
スポーティBEVの専門ブランドとなるアルピーヌの未来は?
グレードは違えども、すべての「A110」において、ドライビングにおける最大の魅力は共通しています。それはピュアだということ。
ミッドシップの2シータースポーツカーということで、多くの人はライバルとしてポルシェ「ケイマン」を思い浮かべることでしょう。確かに「ケイマン」も素晴らしいハンドリングマシンです。
しかし、「A110」のピュアなハンドリングはそれ以上。ドライバーとクルマの一体感が高い上に、より軽快なフットワークで思いどおりのコーナリングラインを選べるのです。
フルバケットシートに6点式シートベルト(3点式は備わっていないので出発前は儀式のように時間をかけて締める必要がある)を標準装備する、まるでレーシングカーのような「A110 R」ともなれば、そのドライビング体験はまるで夢を見ているかのよう。
いつまでも続いて欲しい、ワインディングロードを走り続けたい、夢から覚めないで欲しい……ドライブしながらそんな気持ちになってくるのは、きっと筆者だけではないでしょう。
実は今回の「A110」の生産終了は、アルピーヌにとって大きな意味を持っています。それは、エンジン搭載車の終焉ということです。
アルピーヌは今後、BEV(電気自動車)ブランドになることが宣言されており、すなわち現行のアルピーヌ「A110」は、アルピーヌ最後のエンジン車となる可能性が高いのです。

フランスなどでは次のモデルの販売がスタートしていて、日本へもそう遠くないうちに「A290」というモデルが導入される見込みです。それは「A110」のようなピュアスポーツカーではなく、「5(サンク)E-TECエレクトリック」と呼ばれるルノーのコンパクトBEVをベースとした、「A110」よりも気軽な5人乗りのスポーツハッチです。
すでに試乗している筆者は、その走りの楽しさも十分、理解しています。しかし、それはやはり「A110」とは異なるもの。エンジン搭載のピュアスポーツカーではないのです。
その後、アルピーヌは「A390」というスポーティなクロスオーバーモデルをリリース予定で、そう遠くないうちに「A110」の後継車も姿を現すことでしょう。でも残念ながら、それらはエンジン車ではないのです。
筆者はBEVを否定するつもりはありませんし、適材適所ではBEVが適しているシーンもあります。そしてもちろん「A290」のように楽しいスポーツBEVも存在します。
しかし、エンジン車を愛しているのもまた事実。モーターよりビート感や鼓動を感じられる上に、人間味のあるエンジンを積んだ「A110」の後継車を見てみたい、乗ってみたいという気持ちを強く抱いています。
もちろん、BEVになった「A110」後継車もメチャクチャ楽しいクルマになるかもしれませんが、今のところは、今後予定されているアルピーヌの全面BEVシフトが変更されることを願わずにはいられません。
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