4.5億円の優雅なラグジュアリーヨット レクサス「LY650」の“すっきりと奥深い”走りとおもてなしとは? 全長19.94mの“海のLS”は何がスゴい?
すっきりと奥深い走り味はしっかりレクサステイスト
「LY650」の特徴は、美しく上質な内外装だけではありません。その航走性能も、レクサスの追求する「すっかりと奥深い」世界が目指されています。
一番の特徴は、当時、米ウィスコンシンのMarquis Yachts社と共同で開発された船体。船底とブリッジ上部にはCFRP、その他の部分にGFRPを使って軽量、高剛性に仕立てられているほか、流体解析技術を駆使した船底形状の採用により、高出力と低燃費、さらには優れた航走安定性と操縦性を実現していると謳われています。
パワートレインはあえてVolvo Penta IPSシステムを2基搭載。最もパワフルなIPS1350は排気量12.8リットルの直列6気筒SOHCディーゼルターボエンジンで、クランクシャフト出力1000hpというスペックを誇ります。
航行していて、まず印象的だったのが乗り心地の上質さです。波を切り進むヨットは、ここで受ける抵抗が大きく、また、船体が浮かんで再び没するときには波面が船体をたたくスラミングという現象にも見舞われます。
個人的には特に後者が嫌で、どんな高級ヨットに乗っても大抵「もっとすべるように進んで欲しい」と実は思っていたんです。
それが「LY650」では、まず波を切るのがいかにもスムーズで、抵抗感なく滑空するかのように進んでいき、しかも、波に打ちつけられたときにも衝撃が小さく、軽やかにいなしてくれるのです。正直、これは初めての経験でした。CFRPを用いた船底を始めとする、その画期的な船体構造のおかげでしょう。

操縦性については、この日は波がやや大きめでしたが、直進性は上々で、そこからの回頭もスムーズ。船体を軽く内側にバンクさせながら気持ちよく切れ込んでいきながらも、ぴたっとラインが決まる安定感も伴う。まさに「すっきりと奥深い」、しっかりレクサスの走りだったという印象です。
動力性能は余裕のひと言。ざっと2000rpmで25ノットに達して、このときの燃費は259L/hrと表示されていました。まだまだ全然余裕があり、その先も気持ちよく速度を伸ばしていきます。
もう1点、特筆しておきたいのが静粛性の高さです。エンジンを始動したときには、思わずデジタルメーターを見て本当にかかっているのかを確認したほどですし、航行中に一度、地下の船室に行ったときも、エンジン音がほとんど聞こえて来ず思わず耳を疑ったほどでした。
聞けば、壁にはサンドイッチパネルが使われているというから納得。こうした辺りのつくり込みも、しっかりレクサスだったのでした。
見るだけでなく実際に乗り、そして操って、改めて「LY650」の本当のエポックメイキングなあり方を体感できました。しかしながら、実はレクサスのヨットはすでに2024年に次世代モデルの「LY680」へと進化・発展していて、2026年春より納艇が始まる予定です。そして、その先には「レクサス カタマラン コンセプト」も……レクサスのモビリティカンパニーへの意気込みは、まさしく本気です。
もちろん、こうしたスーパーラグジュアリーの世界への挑戦は、プレミアムブランドにとって、クルマづくりにも計り知れない影響があるはず。レクサスの「DISCOVER」ぶりに今後への期待がますます高まった「LY650」の試乗だったのでした。
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