4.5億円の優雅なラグジュアリーヨット レクサス「LY650」の“すっきりと奥深い”走りとおもてなしとは? 全長19.94mの“海のLS”は何がスゴい?
レクサスが提供する“海のプレミアム体験”とは
「ジャパンモビリティショー2025」のレクサスブースに「レクサス カタマラン コンセプト(LEXUS Catamaran Concept)」の模型が展示されていたのを覚えている方も多いでしょう。実はレクサスは以前より、地上を走るクルマだけにとどまることなく、モビリティの枠を拡大してきたブランドです。
船に関しての最初の提案は2017年。「レクサス スポーツヨット コンセプト(LEXUS Sport Yacht Concept)」は、当時「GS F」や「RC F」、そして「LC」に積まれていた5リッターV型8気筒エンジンを2基搭載した、実にスタイリッシュなオープンクルーザーでした。
そして2019年には、早くも最初のモデルが発売されます。それがラグジュアリーヨット「LY650」。その名のとおり「LS」、「LC」、「LX」、「LM」と並んでレクサスのフラッグシップ群の一角を占めるモデルです。実際、価格は標準で約4億5000万円。各種オプションを加えると6億円にもなりました。
数字の“650”は65フィートというサイズを示していて、つまり全長は実に19.94m、全幅は5.76mにも達します。世の中には100フィート超えのスーパーヨットもありますが、オーナー自らが操船して楽しむ船としては、「LY650」は最大級にして最上級といっていいでしょう。
ちなみに、ヨットといっても「LY650」は帆船ではなく、エンジン出力により航行します。欧米ではこうしたクルーザーのこともヨットと呼ばれているのです、念のため。

今回はなんと、その「LY650」を実際に操船できる得難い機会を用意していただきました。何を隠そう、私は2級ではありますが船舶免許所持者でして、まさに夢がかなったような話なのでした。
「LY650」が待つ逗子マリーナに向かうと、遠くからでもハッキリそれと分かるエレガントなシルエットが陽光の下で波に揺られてキラキラと輝いて、とてつもない存在感を発揮していました。
外観は優美な面で構成されていて、ほかとは明らかに異なる印象。同時に、レクサスの各車種と共通の雰囲気を色濃く感じさせます。特にキャビン形状などは、まさに、という感じですよね。
船体は射出成形そのままではなく塗装仕上げ。今回乗ったヨットはオプションのブラウンとブラックのツートーンで塗り分けられており、存在感は圧倒的です。
前から後ろまで全体を眺めたら、後方のスイミングプラットフォームから船内へ。ステップを上がるとアフトデッキの先に、いかにもラグジュアリーな室内空間が見えてきます。
左舷側にはバーベキューなどを楽しめるオープンキッチンとバーを用意。スライド式のガラス戸を開けた先のメインサロン後方にもギャレーが設えられています。
その奥にはソファとテーブル。壁はウッド仕上げで各部にクロームがあしらわれ、ソファの表皮はホワイトのレザー張りとされています。格納式のモニターは49インチ、そしてオーディオは当然、マークレビンソンです。
しかも、ふと足下を見ると、床にはレクサスの「L」のマークがあしらわれており、さらにテーブルの脚も「L」字型。こんな具合でデザインには遊び心が満載で、まさに“おもてなし”の心を実感します。
このメインサロンとアフトデッキの間のガラス戸を開け放てば、空間は大面積のリビングダイニングに変身します。洋上にヨットを停泊させてのカクテルパーティなんて想像すると、本当に贅沢ですよね。
さらにその先の右舷側には、メインのヘルム、要するに操縦席があるのですが、ここも設えは非常に洗練されています。主要な操作はガーミン製タッチスクリーンでスマートに。ここもリビングと一体になった上質な設えなので、皆が楽しんでいるのに船長だけ蚊帳の外、なんてことにはならないはず。
もちろん、後方のステップを上がり、フライブリッジの先のヘルムステーションで操船に没頭することもできます。
また、いったん外に出て前方に回れば、ソファにテーブル、さらにはベッドまでゆったりと配置されたバウデッキに出られます。前方には何も遮ることのない海と空。心地いい時間を過ごせるでしょう。
メインサロンから下に降りれば、そこにはいずれも室内高2m以上を確保し、シャワールームも完備した船室が3つ用意されています。
船体中央部分に位置するのがマスターステートルーム。ビームいっぱいに広がる広い室内の左右に大きな窓が備わり、曲線を描くソファとコクーンのようなベッドが余裕をもって配置してあって、ゆったりくつろげます。
ゲストルームは2室。ステップの脇にはゲストステートルーム、そして船体前方にはVIPステートルームがレイアウトされています。美しい曲線で構成された壁面と大きな窓がセンターのベッドを包み込むなんとも贅沢な空間は、招かれた誰もが感激すること請け合いです。

実はシートの縫製、家具の仕上げ、組み立てや船体の塗装前の研磨などは、熟練の職人の手でおこなわれたということもあり、船外、船内を見て回るだけでも、レクサス流のラグジュアリーな設えにうならされるばかりの「LY650」。ですが、そろそろ出航の時間。フライブリッジに上がることにしましょう。
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