MTで操れる日産“R35”「GT-R」をドイツで発見!?「見た目はそっくり」だけど中身はそこそこ……“奇妙なレプリカ”はなぜ誕生した?
「GT-R」のスタイルを見事なまでに再現
“レプリカ”とは複製の意味で、いわゆる“コピー品”を意味します。
そしてレプリカ車両といえば、本物は入手することが困難なモデルがモチーフとなるケースが多く、対象となるのは希少価値の高いスーパーカーやクラシックカーというのが一般的です。「どうしても手に入らない夢のクルマ」を再現するのが“レプリカの王道”といえるでしょう。
そんな中、今、ドイツで販売されているのは、日産R35「GT-R」のレプリカ。日本が世界に誇る「GT-R」は確かに高性能ではありますが、中古車市場には比較的豊富に流通しており、頑張れば手の届く価格帯にあります。
なぜこんなレプリカ車両が誕生したのでしょう?
このレプリカのベース車は、1998年から2002年にかけて生産されたフォード「クーガー」。「モンデオ」をベースに開発されたヨーロッパ市場向けのクーペで、“ニューエッジ”と呼ばれる斬新なデザインが特徴でした。ただし、さほど人気を博すことはなく、わずか4年で生産を終了。いわば不遇のモデルです。
今回のベース車両は、2.5リッターV6エンジンを搭載する5速MT車。最高出力は約170psとひかえめで、駆動方式は前輪駆動(FF)です。
0-60mph加速タイムは約8.5秒で、最高速度は225km/h程度。性能的には一般的なファミリーカーに毛が生えた程度のものでしかありません。
そんな「クーガー」をベースとするこのレプリカ、パッと見、「GT-R」にしか見えないのがスゴいところ。「クーガー」のホイールベースは本物の「GT-R」より約8cm短いにもかかわらず、職人ワザによってその差を巧みに隠し、「GT-R」の特徴的なフォルムを見事に再現しています。

よーく見ると、トランク部分がやや長い気もしますが……よほど注意深く見ないと気づかないかもしれません。
フロントの攻撃的なデザイン、サイドの流麗なライン、そしてリアの丸型4灯テールランプまで、細部にわたって本物そっくりに仕上げられています。
さすがに内装は「クーガー」の雰囲気が色濃く残っていますが、MTを搭載した「GT-R」の姿に、驚く人がいてもおかしくありません。
●製作者は「GT-R」に憧れていたのか? それとも……
当該レプリカ車両は現在、ドイツの中古車サイト「mobile.de」にて7500ユーロ(約120万円)で販売されています。
本物の中古「GT-R」が数百万円から1000万円以上することを考えれば、確かに安価ではあります。購入を検討する層は「GT-R」の性能を求めているのではなく、あくまでもそのスタイリングと希少性、そして注目を集めることに価値を見出す人でしょう。
高速道路でアクセルペダルを踏み込んでも、期待するような加速は得られません。コーナーでも、本物の「GT-R」のような精密なハンドリングは望めません。駐車場や街中で注目を集めることも……ないでしょう。
ただし、このレプリカ車両を製作した人物の技術力と情熱には、素直に敬意を表したいと思います。
この奇妙なレプリカ車両は、自動車文化の多様性を象徴する一例といえるかもしれません。すべての人が高性能を求めているのではなく、ある人々にとってはルックスこそが最も重要な要素なのかもしれません。
「そこまでして『GT-R』が欲しかったの!?」というのが、日本人としての正直な感想かもしれません。
もしかして、製作した前オーナーにとって「GT-R」は、往年のスーパーカーに匹敵するほどの憧れの的だったのでしょうか? あるいは、単純にフォード「クーガー」の不人気ぶりを逆手に取った、ユーモアあふれるレプリカ製作だったのかもしれませんね。
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