VAGUE(ヴァーグ)

生産台数わずか500台の希少モデル 54年前の「美しすぎるフェラーリ」が落札 数々の受賞歴がある「365GTC/4」とは

走行距離は約3万5000kmの極上個体

 2026年1月、米国アリゾナ州フェニックスで行われたRMサザビーズ主催のオークションにおいて、1972年式フェラーリ「365GTC/4」が出品され、注目を集めた末に落札されました。

 この365GTC/4は、ピニンファリーナに在籍していたデザイナー、フィリッポ・サピーノの手による作品で、1971年のジュネーブ・モーターショーで初披露されたモデルです。

 それまでのフェラーリが得意としてきた流麗な曲線美とは異なり、本車はシャープなエッジを強調したウェッジシェイプを採用し、当時としては大胆なデザイン転換を示しました。

 低く構えたノーズに直線的なフロントマスク、フル幅のブラックラバーバンパーと浅い長方形グリルが組み合わされ、従来とは明確に異なる表情を作り出しています。

 格納式のツインヘッドライトがフロントフェイスを引き締め、5枚のウインドウで構成される涙滴形のキャビンは、クリーンなカムバックテールへと自然に流れていきます。

 装備も当時としては非常に充実しており、パワーステアリングや電動ウインドウ、エアコンに加え、クロモドラ製の5スポーク・アロイホイールが標準で装着されていました。これらの装備からも、このクルマが純粋なスポーツカーではなく、快適な長距離移動を重視したグランドツアラーであったことがうかがえます。

 搭載されるエンジンは4.4リッターのV型12気筒です。「365GTB/4デイトナ」のような荒々しさはありませんが、豊かなトルクと穏やかな扱いやすさを備え、高速巡航を得意とする性格を持っていました。

 生産台数はおよそ500台とされ、その多くが北米市場向けに販売されています。

オークションに出品され、約2631万円で落札された1972年式フェラーリ「365GTC/4」Robin Adams(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品され、約2631万円で落札された1972年式フェラーリ「365GTC/4」Robin Adams(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's

 今回出品された個体は、フェラーリ・クラブ・オブ・アメリカ(FCA)のナショナル・コンクール・プリザベーション・アワードを受賞した履歴を持ち、ボディカラーはロッソ・チェリー、インテリアはベージュという伝統的な組み合わせで仕立てられています。

 このクルマは生産257番目にあたり、正規ディーラーであるチネッティ=ガースウェイト・モータースを通じて、ペンシルベニア州の初代オーナーに新車として納められました。雨天時には一度も走らせなかったという逸話も残されています。

 その後は複数のオーナーに引き継がれながら、各地のコンクールに出展され、多くの評価を獲得してきました。現在の走行距離は2万2314マイル(約3万5910km)にとどまり、良好な保存状態を維持しています。

 デイトナの持つ強烈な個性とは対照的に、より穏やかで親しみやすい存在として、365GTC/4は現在もフェラーリ愛好家の心を捉え続けているのです。

 この1972年式フェラーリ「365GTC/4」、16万8000ドル(1USドル=156.6円換算で、日本円で約2631万円)で落札されました。

Gallery 【写真】超かっこいい! 1972年式「365GTC/4」を見る(34枚)
「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

VAGUEからのオススメ

“時を愉しむ”という究極の贅沢――カンパノラ「星響」と巡る、足利・静寂とウェルネスの旅【PR】

“時を愉しむ”という究極の贅沢――カンパノラ「星響」と巡る、足利・静寂とウェルネスの旅【PR】

RECOMMEND