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初めてDOHC4カム・V12を搭載した59年前のフェラーリを発見 当時の最高時速は268キロ 走行わずか2万キロ台の「275GTB/4」の落札予想価格とは

極めてオリジナリティの高い個体

 2026年2月に米国フロリダ州ボカラトンで開催されるRMサザビーズ主催のオークションで、1967年式フェラーリ「275GTB/4」が出品される予定です。

 どんなクルマなのでしょうか。

 フェラーリ275GTB/4は、マラネロが生み出したロードゴーイング・フェラーリの中でも、とりわけ完成度の高い存在として知られています。
 
 1947年の創業以来、レースと市販車の両面で培われてきた技術と経験が惜しみなく注ぎ込まれ、フロントエンジンV12を搭載するクラシック期フェラーリの到達点とも言えるモデルです。

 グランドツーリング・ベルリネッタとして設計され、快適な長距離移動とスポーティな走りを高次元で両立し、サーキットを走ったその足で自宅まで帰れるという、当時のフェラーリらしい思想を体現していました。

 275GTB/4は1966年のパリサロンで発表され、2年前に登場した275 GTBの後継として位置づけられました。

 エクステリアは、生産途中から採用されたロングノーズ形状を引き継ぎ、高速域でのフロントリフトを抑制する洗練されたスタイルを維持しています。

 一方で最大の進化はメカニズムにあり、名匠ジョアキーノ・コロンボ設計の3.3リッターV12エンジンに、フェラーリの量産ロードカーとして初となるDOHC4カムを採用しました。

オークションに出品予定の1967年式フェラーリ「275GTB/4」Robin Adamus(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品予定の1967年式フェラーリ「275GTB/4」Robin Adamus(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 ドライサンプ潤滑と6基のウェーバーキャブレターにより出力は向上し、俊敏なシャシ性能と相まって、当時もっともダイナミックなロードカーと評されました。また、トルクチューブ式ドライブシャフトの採用により、従来型で課題とされていた振動も解消されています。

 生産期間は1968年までと短く、製造台数はわずか330台にとどまりました。

 続く365 GTB/4「デイトナ」が、全く異なる1970年代的なデザインへ移行したこともあり、275GTB/4はクラシックなフロントエンジンV12フェラーリの最終章として特別な存在感を放っています。

 シャシ番号09931の個体は、1967年5月に完成し、ロッソ・ルビーノのボディとベージュレザー内装、さらに極めて希少なコードクロスのシートを備えていました。

 欧州市場向けとして出荷された後に米国へ渡り、長期保管を経て丁寧な整備が施されていますが、完全なレストアは行われておらず、高いオリジナリティが保たれています。

 フェラーリ・クラシケによるマッチングナンバー認証も取得しており、走行距離が2万1277kmと極めて少ない点も大きな魅力です。この個体は、275プラットフォームの最良仕様を体現する存在として、フェラーリコレクターにとって理想的な一台となります。

 この1967年式フェラーリ「275GTB/4」、落札予想価格は340万ドルから360万ドル(1USドル=156.8円換算で、日本円で約5億3327万円から5億6483万円)とされています。

Gallery 【画像】超かっこいい! 59年前のフェラーリ「275GTB/4」を写真で見る(32枚)
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