スペック不変でも「なぜか速くなってる!?」 アルファ ロメオのおしゃれな限定SUV「トナーレ インテンサ」で発見した“こっそり進化”の正体とは
カタログスペックは不変なのに「確かに速い」謎を追う
そんな「トナーレ ハイブリッド インテンサ」ですが、元はレバー式だったシフトセレクターがロータリー式に変わってたことに軽く驚きました。どうやら現在は「インテンサ」以外の「トナーレ」も同仕様になっている模様。仕様変更があったことを僕が知らなかっただけなのかもしれません。勉強不足でした。
アルファ ロメオを始めとするステランティスのイタリアンブランドには、よかれと思った仕様変更を当たり前のように実装するだけして、アナウンスはしない、という傾向が昔からありました。
絶えず実車を観察し続けられるわけじゃない僕としては、ときどき軽く驚かされて苦笑い、なんてことになったりします。つくりっぱなしにしないで生み出したクルマを常に進化させてることの証、ではあるのですが。
そこを念頭に置くと、冒頭で述べた「あれ? こんなに速かったっけ?」――の理由がなんとなく見えてくるような気がします。
この「インテンサ」は、電子制御サスペンションや20インチのタイヤ&ホイール、パドルシフトなどが標準で備わってることから、本国に数ある仕様の中で現在も日本に導入されている上級グレード「ハイブリッド ヴェローチェ」を、おそらくベースにしてるのだと思われます。
なので、MHEVでありながらおだやかに発進して、おだやかに加速をしていけば30km/hを少し超えた辺りまでモーターのみで走行することができ、ある程度まで速度が上がってからも負荷の小さな状況や減速時などは、エンジンが休止してモーターのみで走る瞬間が思いのほか多いのは従来どおり。

なにせモーターは小さいとはいえ、その最大トルクは55Nmもあります。これは、実はスズキ「アルト」のエネチャージ仕様と同じ数値で、望外に力強くなめらかに走ってくれるのも納得です。
「インテンサ」のパワートレインは、そんな20ps/55Nmのモーターと、160ps/240Nmのエンジンとの“2丁掛け”。走行モードを切り替える“DNAダイヤル”を「D(=ダイナミック)」モードにし、思わずパドルを弾きながら走りたくなるところや、そういう走らせ方をすると楽しさが倍増するところも従来どおりです。
また、走行モードが「D」の状態だと乗り味が一気にハードになり、よりシャープなコーナリングを楽しめる一方、「N(=ナチュラル)」に戻すとウソのように快適な乗り心地を取り戻すのも従来どおり。
走りの面で「ちょっと変わったかな?」といえるところがあるとすれば、そうしたひとつひとつが、初期の頃と比べて結構、洗練されてるように感じられたことでした。これは順当な熟成といえるでしょう。
ですが走らせていて、「あれ? こんなに速かったっけ?」という感覚は「ちょっと変わったかな?」よりも強く伝わってきたのです。峠を駆け上がっていくときの力強さも、速度の伸び感も、元気よく走り始めて15秒も経たないうちに「これ、絶対どこかに手が入ってるでしょ!?」と思うくらいの違いを感じられたのですから……。
MHEVには久しぶりに乗るので「僕の感覚がズレてるのかも」と思い、従来の「トナーレ ハイブリッド」を日常のアシにしている関係者にも乗ってもらったのですが、やっぱり「あれ?……変わってますね」との回答でした。マヌケな勘違いではなく「トナーレ」のMHEVモデルは確かに少し速さを増していたのです。
けれど、スペックシートに記されてる最高出力も最大トルクも、なんら変わってはいません。車重は数値の上でこそ従来あった「トナーレ ハイブリッド ヴェローチェ」より30kgほど軽くなっていますが、それはおそらく装備の違いによるもので、車体に何か大きな変更があったようにも思えません。また、イタリア本国の資料や海外サイトを片っ端から調べてみても、何がどう変わったのか、どこにどう手が入ったのか、かけらたりとも出てこないのです。
それでもしつこくチェックし続けていたら、燃費のデータがわずかに変化していることを発見しました。いくつかある数値のうち、あるパートは伸びていて、あるパートは悪化しています。どちらもほんのわずかではあるのですが……。
このことから導き出されるのは、どこかのタイミングでパワーユニット系の制御に手が入ったのだろう、という予想です。いや、それしか考えられません。欧州車の場合、とりわけステランティスのイタリア系はそうなのですが、モデルイヤーごとの年次改良のようなものは当たり前のようにおこなわれるし、大掛かりなフェイスリフトでもなければプレスリリースなどはまず出てこないので、僕たちは知るよしもないのですが、おそらく直近の年次改良に含まれた“改善”だったということでしょう。
本国で現在も設定のある「トナーレ ハイブリッド ヴェローチェ」と日本向けの特別仕様車である「インテンサ」の燃費データを比べてみると、やはり共通。つまり、最新型「トナーレ」のMHEVモデルは、これまで以上に「買い!」といえるモデルへと進化しているのです。
「インテンサ」は先述のとおり台数限定モデルですから、早期完売が予想されます。けれど、魅力を膨らませた「トナーレ」MHEVモデルの素晴らしさは、スタンダードモデルでも十分に堪能できるというわけです。
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