巨匠ゴードン・マレー渾身の作品 世界100台限定の「T.50」が米国オークション初登場 「世界最高のドライバーズカー」と称されたスーパーカーの気になる予想価格とは
100台の限定生産が発表されると2日で完売
2026年4月に米国カリフォルニア州パソ・ロブレスのアレグレット・ヴィンヤード・リゾートで開催されるブロードアローオークション主催のイベントで、2025年式ゴードン・マレー・オートモーティブ「T.50」が出品されます。
T.50は、自動車設計の巨匠ゴードン・マレーが理想とする“究極のドライバーズカー”を具現化した存在です。
南アフリカ出身のマレーは、ブラバムやマクラーレンでのF1活動、そして伝説的ロードカーである「マクラーレンF1」の設計者として知られています。モータースポーツと市販車の双方で革新をもたらしてきた彼が手がける新たなプロジェクトは、常に世界中の注目を集めてきました。
2007年に自身の設計会社を設立したマレーは、その後2017年に自動車メーカーとしてゴードン・マレー・オートモーティブ(Gordon Murray Automotive)を立ち上げます。そして発表されたのが「T.50」です。
これはマクラーレンF1の思想を現代に再解釈したモデルであり、軽量性、自然吸気エンジン、マニュアルトランスミッション、そしてセンターシートレイアウトといった要素を徹底的に追求しています。
2019年に概要が公開され、2020年にはわずか100台の限定生産が発表されると、すべての車両がわずか2日で完売しました。

最大の特徴はパワートレインにあります。Cosworthと共同開発された3.9リッターV12エンジンは、最高出力661馬力を1万1000rpmで発生し、最高回転数は1万2100rpmに達します。
軽量化と高回転性能を追求した設計により、アイドリングからレッドラインまでわずか0.3秒未満で吹け上がるという驚異的なレスポンスを実現しています。
また、T.50には革新的な空力システムも採用されています。その象徴がリアに搭載された大型ファンで、これは1977年のF1マシンであるブラバム「BT46B」の思想を現代に応用したものです。車体下部の空気の流れを制御し、ダウンフォースを大幅に向上させることで、安定性と性能を高次元で両立しています。
開発には膨大な時間が費やされ、2021年にはダンズフォールド飛行場でプロトタイプの走行テストが行われました。
同年のグッドウッド・メンバーズミーティングで一般公開され、その高回転V12エンジンのサウンドとコンパクトな車体、そしてセンターシートレイアウトが大きな話題を呼びました。
今回紹介するシャシ009は、カーボンファイバー製ボディにリーフカラーを採用し、内外装ともに特別な仕立てが施された1台です。
センターに配置されたドライバーズシートを中心に、左右にパッセンジャーシートを配する独特のレイアウトが特徴で、上質なレザーやアルカンターラによって仕上げられています。
走行距離はわずか約43kmと極めて少なく、新車同様の状態を保っています。専用ラゲッジや工具、診断用タブレットなど付属品も完備されています。
T.50は2023年に「Top Gear ハイパーカー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、その完成度は高く評価されています。トップギア誌は「世界最高のドライバーズカー」と称賛しました。最新技術に頼りすぎることなく、ドライバーとの一体感を追求したこのモデルは、現代において極めて希少な存在です。
限定100台という生産規模も相まって、その価値は今後さらに高まることが予想されます。
VAGUEからのオススメ
“時を愉しむ”という究極の贅沢――カンパノラ「星響」と巡る、足利・静寂とウェルネスの旅【PR】
