コロナ禍や半導体不足で頓挫も「ブランド廃止」の選択肢は一切なかった!? 日産 新型「エルグランド」が全面刷新までに16年もの歳月を要した舞台裏
コロナ禍や半導体不足で何度も頓挫したフルモデルチェンジ
2026年夏に発売予定の日産 新型「エルグランド」。実に16年ぶりの刷新となるわけですが、なぜフルモデルチェンジにこれほどの歳月が必要だったのか? 本記事では、開発陣のコメントからそんな疑問をひも解いていきます。
昨今の販売状況を踏まえた場合、「エルグランド」というブランドを廃止するという選択肢も日産社内にはあったのではないかと推測します。
開発陣に「そんな選択肢はなかったのですか?」という疑問をストレートにぶつけてみたところ、「それは一切ありませんでした。16年間、進化の方向性や次期型の開発について、社内では常に考えられていました」という回答を得ました。
ラグジュアリーミニバンといえば、今ではトヨタの「アルファード」と「ヴェルファイア」が確固たる地位を確立していますが、実は同ジャンルは日産が「エルグランド」で打ち立てたもの。それだけに、「エルグランド」の歴史にピリオドを打つという選択は社内にはなかったといいます。
それは「エルグランド」オーナーも同様で、「続けて欲しい」、「新型の誕生を待ち望んでいる」といった声が日産には常に寄せられていたといいます。なかには「今は他のモデルに乗り換えたが、新型が登場したらまた『エルグランド』に戻る!」と宣言する熱心な元オーナーもいたといいます。
また、販売現場からのリクエストも、日産が小規模ながら開発を継続する原動力になったといいます。ラグジュアリーミニバンの「エルグランド」は法人からのニーズが高く、販売現場からは「ラインナップから落とさないで欲しい」との要望が寄せられていたのだとか。

加えて、「『エルグランド』のようなフラッグシップモデルで法人ユーザーを獲得できれば、他のモデルを社用車や営業車として導入してもらえる可能性が高くなる」といった試算もあったようです。「エルグランド」は販売台数を稼げるモデルではないものの、その存在感で販売現場を元気にするモデルといえるでしょう。
では、なぜ全面刷新までに16年もの歳月を要したのでしょう? 日産社内では、これまでも何度か、フルモデルチェンジへの検討が具体的に進んだことがあったといいます。しかし、コロナ禍や半導体不足など想定外の問題が発生し、機会を逃してきたのだとか。
それが今回、半導体不足が落ち着いて将来的な目処がつき、開発が軌道に乗ったことからフルモデルチェンジへの体制を改めて整え直し、ついにフルモデルチェンジに至ったというわけです。
明確な回答は得られていませんが、おそらく「ジャパンモビリティショー2023」に「ハイパーツアラー」というコンセプトカーを出展させた際には、ある程度、開発の方向性は決まっていたものと思われます。
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ラグジュアリーミニバンのパイオニアというプライドを守り続けるために、そして、ユーザーや販売現場からの熱いエールに応えるために、「エルグランド」はその歴史にピリオドを打つことなく、今回、晴れてフルモデルチェンジを迎えます。
難産だった新型がマーケットでどのような評価を得るのか? 正式発表が今から楽しみです。
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