クルマの真横を「全長60mの4両編成」が堂々と走り抜ける! 京都観光の“スキマ時間”で楽しめる「京阪京津線」の非日常な列車旅とは
4両編成で全長60m以上の電車が併用軌道を走るのは全国でココだけ
かつて日本の各都市で活躍していた「路面電車」は、クルマの交通量増加とともに“邪魔者扱い”され、1960年代から70年代にかけて、東京や大阪、横浜などの大都市では廃止が相次ぎました。
ただ地方都市では現在でも“市民の足”として活躍しており、近年はその経済性や利便性が見直されつつあります。
ところで路面電車というと、みなさんは小さな車両が1両や2両でクルマに混じって走っている姿を想像するのではないでしょうか。
しかし近畿地方には、4両編成で全長60m以上の電車が道路の中央の併用軌道を堂々と走る、異色の路面電車があります。それは京阪電鉄の「京津(けいしん)線」です。

京津線はその名称が示すように、京都市と滋賀県大津市を結ぶ路線です。
起点は「御陵駅」で、同駅からは京都市営地下鉄東西線の「太秦天神川駅」まで乗り入れています。終点は「びわ湖浜大津駅」で、同じ京阪電鉄の「石山坂本線」に接続しています。
この京津線が“路面電車”のように併用軌道を走るのは、「上栄町駅」から北側の区間、約600mです。
上栄町駅を出た電車はゆるやかに左カーブを描きながら「滋賀県道558号」に合流、そのまま道路の中央部分を走り、「浜大津駅前」交差点に至ります。この交差点で大きく右に曲がると、びわ湖浜大津駅です。
上栄町駅を出てから道路との合流部分や、びわ湖浜大津駅前で右に曲がる交差点では、電車用の信号として「黄色い矢印」が設置されています。併用区間内に数か所ある交差点では、クルマと同じ信号に従い、走行します。
ただ、重い電車はクルマとは異なり、黄色の信号でブレーキをかけてもすぐに止まることはできません。そのため京津線の併用軌道区間では、架線柱のビームに電車用の「信号残時秒表示灯」が設置されています。
この表示灯では、白いランプの点灯中は前方信号の「青が継続」を、消灯すると「まもなく赤」を示します。運転士は表示灯を確認し、もし消灯したら、前方の信号が青でもブレーキを操作して停車し、赤信号を守る仕組みとなっています
また併用区間走行中は電車であっても救急車など緊急車両に道を譲る必要があるため、区間内では窓を開け、外部の音が確認できる状態で運転操作を行います。
じつは軌道法に基づく路面電車は、原則として列車の長さが「30m以下」に制限されています。一方、京津線を走る車両は、1両16.5mの4両編成(=66m)で、特例として認められています。
その背景にあるのは、京津線の「地下鉄への乗り入れ」です。
かつては京津線も併用軌道の「30m以下」の規制を受け、1両15mの2両編成で運行していました。しかし1997年からの地下鉄東西線への乗り入れで、地下鉄の車両と輸送力を揃える必要があったことから、併用軌道での大型車両の走行が特例として認められたのです。
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