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うわっ、珍しい! 「漆黒のフェラーリ」を発見 走行2.6万キロの極上モデル 日本に納車され愛された後 英国に渡った「F50」の予想価格とは

「リバティーウォーク」の手でカスタムされた1台

 フェラーリの創立50周年を記念して生まれたスペチアーレ「F50」は、わずか349台のみが製造された、自動車界の頂点に君臨するハイパーカーです。

「公道を走るF1」というあまりにも純粋で過激なコンセプトを掲げ、F1マシンの技術をそのままストリートへと移植したこの歴史的名車が、RMサザビーズのオークションに登場し、世界のコレクターを驚かせています。

 今回出品されたシャシ番号106715の1996年式F50には、500万ポンドから600万ポンド(日本円で約10億円〜12億円前後)という巨額の予想落札価格が提示されていますが、この個体が持つ価値は、単なる低走行のクルマとは一線を画す、ドラマチックな「日本との深い絆」にあります。

 この個体は1996年に工場をラインオフした後、1998年1月に東京の正規輸入代理店「コーンズ・モータース」を通じて日本のオーナーへと新車デリバリーされたモデルです。

オークションに出品予定の1996年式フェラーリ「F50」Alex Penfold(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品予定の1996年式フェラーリ「F50」Alex Penfold(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 最初は相模ナンバーで登録され、その後神戸ナンバーへと引き継がれた本車は、日本のカスタムカルチャーを牽引する「リバティーウォーク」の手によって、当時世界に例のなかった鮮烈な「ホワイト」へと全塗装され、専用のホイールやリアディフューザーを装着。富士スピードウェイで行われたスーパーカーミーティングなどで大きなセンセーションを巻き起こし、日本のファンにとって忘れられない特別な1台となりました。

 その後、2015年11月に日本を離れてイギリスへと渡り、一度オリジナルの赤(ロッソ・コルサ)へと戻されたことで、2016年9月にはフェラーリ社のお墨付きである「フェラーリ・クラシケ」の認定(レッドブック)を無事に取得。エンジン、トランスミッション、シャシ、ボディワークのすべてが当時と一致する完璧な「マッチングナンバー」であることが公式に証明されました。

 さらに現オーナーは、世界限定349台のうちわずか4台しか存在しない工場出荷時の漆黒のF50「ネロ・DS」の美しさを再現すべく、さらなる大改革に踏み切ります。

 塗装を依頼したのは、フェラーリの現行のビスポーク部門である「テーラーメイド」の車両塗装を公式に請け負っているイタリアの「カロッツェリア・ザナーシ」でした。F1直系の4.7リッターV型12気筒自然吸気エンジンをストレスマウント構造で搭載したこの戦闘的なシルエットは、フェラーリ公式御用達の職人の手によって、息をのむほど深い輝きを放つ究極の「黒いF50」へと生まれ変わりました。

 現在の走行距離は2万6200kmを刻んでいます。眠らされてきたような個体とは異なり、サロン・プリヴェやグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの国際舞台で実際にその快音を響かせ、多くのファンに愛されてきました。

 直近の2026年5月にもフェラーリ公式サービスセンターでの年次点検を終えたばかりで、新車時のフライトケース入りハードトップやツールキットも完備されています。

 日本で愛され、イギリスで究極の芸術品へと昇華を遂げた走行2万6200kmの黒い跳ね馬。日本の自動車文化の熱狂をその身に宿した唯一無二のF50が、世界のオークションの舞台でどのような歴史的快挙を成し遂げるのか、世界中がその動向を固唾をのんで見守っています。

Gallery 【画像】超カッコいい! 黒いフェラーリ「F50」を写真で見る(22枚)
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