実は夏がベストの温泉があった!? 長時間浸かれて湯上がり後もサラッサラ “体温に近い温度”で気持ちいい「ぬる湯・低温泉」の名湯3選
次は新潟県と静岡県に位置する温泉地
●新潟県「栃尾又温泉」
続いて紹介するのは、新潟県にある「栃尾又温泉」です。
栃尾又温泉は、8世紀前半の奈良時代にあたる養老年間で開湯したとされ、1250年以上の歴史を持つ温泉地です。

源泉の温度は約37度となっており、人の体温に近い温度でゆっくりと長く浸かることが可能です。
泉質は単純放射能泉であり、体に良いとされる天然ラジウムの含有量が日本で2番目に多いという特徴を持っています。
この温泉のお湯は、約43年前の雨水が岩の割れ目を通り、長い時間をかけてラジウムを含みながら湧き出ているとされています。
お湯が空気に触れるとラドンとなって放出され、入浴時にそれを吸い込むことによって、血管を通り全身の細胞に吸収される仕組みです。
最近の研究では、ラジウムやラドンの最大の特徴として抗酸化作用があることが判明しています。
人間の体が酸化して痛んでいくのを防ぐため、ビタミンを摂取するのと同様に、抗酸化作用を持った温泉は体を酸化から守る効果があるとされています。
栃尾又温泉には宿泊施設が3軒しかなく、どの宿からも履物を履いて外へ出て共同浴場へ向かうという独自の外湯形式が採用されています。
「うえの湯」「したの湯」「おくの湯」と呼ばれる共同浴場を、宿泊者全員が日替わりで利用し、同じ湯舟を共有するという珍しい文化が根付いています。
●静岡県「畑毛温泉」
最後に紹介するのは、静岡県に位置する「畑毛温泉」です。
畑毛温泉は、効能豊かな温泉として環境省から国民保養温泉の指定を受けており、全国から湯治客が訪れる温泉地です。

泉温は30度から35度という低温泉であり、泉質は弱アルカリ性単純泉で、無色無臭の入りやすいお湯が湧出しています。
湧出量は毎分約300リットルを記録し、高血圧や神経痛、リウマチ、さらには消化器機能障害や運動器障害、美肌作用など、多岐にわたる効用があるとされています。
その歴史的な背景として、鎌倉幕府を開いた源頼朝が軍馬の疲れを癒したという言い伝えが残されています。
また、寛延年間の記録には、湯敷小屋において怪我人の湯療が行われていたという記述も確認されており、古くから療養の場として機能してきたことがうかがえます。
さらに、歌人である若山牧水もこの地を訪れ、「長湯して飽かぬこの湯のぬるき湯にひたりて安き心なりけり」という、畑毛温泉のぬる湯を詠んだ歌を残しています。
これらの温泉地はいずれも低い温度のお湯であるため、体に急激な負担をかけることなく、長時間の入浴を行う湯治客にとって適した環境が整えられています。
※ ※ ※
今回取り上げた温泉地は、いずれも長い歴史を持ち、ぬる湯や低温泉という独自の特徴を持つ場所です。
熱いお湯とは異なり、体温に近い温度でゆっくりと浸かることができるため、体への負担が少なく、年齢を問わず長時間の入浴が可能です。
暑い夏の時期に涼を求めるだけでなく、心身の疲労をじっくりと癒すための選択肢として、このようなぬる湯の温泉地は非常に有用であるといえそうです。
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