「タイヤはゴムだけでできているんじゃなかった!」ブリヂストンの体験セミナーで知った“原材料”と“配合技術”の知られざる世界
タイヤを見る目が変わる体験
2026年7月24日、ブリヂストン・イノベーションギャラリーにて、ブリヂストンが主催する報道関係者向けセミナーが開催されました。
「あなたの知らない、世界のブリヂストン。タイヤ原材料と『走る実験室』の世界」と題されたこのセミナー、案内には「そもそもタイヤの原材料とは?」ということも書かれてあり、イチからタイヤを勉強できる良い機会なのではないかと。
VAGUE編集部に入って3年、これまでタイヤの試走会には2回行ったことのある私ヒグチが、弊社の他編集部の若手数人とともに参加してきました。
会場のブリヂストン・イノベーションギャラリーは、東京都小平市にある研究開発拠点「ブリヂストン・イノベーションパーク」の一角に、2020年にリニューアルオープンした施設です。
ブリヂストンのこれまでの歴史やモータースポーツ活動60年の歩みなど、さまざまな展示がされた“博物館”で、一般の人も月曜から金曜の10時から16時まで、無料で見学することができます(日曜日・祝日・年末年始は休館)。
ふだんここで開催される発表会などは、広い会議室を使っておこなわれることが多いとのことでしたが、今回のセミナーは、イノベーションギャラリーの中を使って開催されました。

まず話をしたのは、ブリヂストンの執行役CIO(チーフイノベーションオフィサー)である草野智弘さん。セミナーの前に、3つのゴム片が一人ひとりに手渡されます。
Aは天然ゴムだけを加硫したもの、Bは合成ゴム、Cは合成ゴムにカーボンブラックを配合したもの。それぞれを手で引っ張って、強度を確認します。
まず天然ゴムだけで作られたAは、力いっぱい引っ張ってもなかなか切れません。一方、合成ゴムだけのBは、力を加えた瞬間にあっさりと切れてしまいました。そして、合成ゴムにカーボンブラックを配合したCは、Bよりも明らかに切れにくく、耐久性が上がっていることを手で触れながら実感できました。
タイヤはゴムでできているというのは知っていましたが、ゴムには天然ゴムと合成ゴムがあり、それぞれ特性が異なるという点、また弱くすぐ切れてしまったBの合成ゴムにカーボンブラックを混ぜるだけで、ゴムが強くなりなかなかちぎれないことになるということを初めて知ることで、あらためてゴムの奥深さを知りました。
タイヤはゴムだけでできているわけではありません。天然ゴムや合成ゴム、カーボンブラックのほか、強度を高める繊維やスチールコードなど、さまざまな素材が使われています。
素材そのものは各メーカーで大きく変わらなくても、どのように配合するかにはメーカーごとの工夫があります。その配合技術こそがタイヤメーカーの強みであり、性能や乗り味の違いを生み出す大きなポイントになっていると感じました。
いまブリヂストンでは、使用済みタイヤをタイヤに戻す、という「水平リサイクル」に挑戦しているということです。
これは使用済みのタイヤを精密に熱分解することで、ナフサ(オイル)と再生カーボンブラックを取り出し、それをまたタイヤの原材料としてタイヤづくりに用いるということで、この精密熱分解パイロット実証プラントを、2027年下期に岐阜県関市に竣工すると言います。
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