歩くだけで心がほどける… どこを切り取っても絵になる“レトロな街並みと石畳”が美しい! ゆったりと羽を伸ばせて体も癒せる「温泉地」3選
最後は800年の歴史を誇る大分県の温泉地
●大分県「湯平温泉」
最後に紹介するのは、大分県の由布市に位置する「湯平(ゆのひら)温泉」です。

湯平温泉の開湯はおよそ800年前の鎌倉時代とされており、江戸時代に書かれた豊後国志にもその名が記録されています。
温泉街の中央を流れる花合野川に沿って作られた石畳の坂道は、今から約300年前の江戸時代に工藤三助という人物を筆頭に、村民の手によって敷設されたものです。
泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉であり、古くから胃腸病に効能があるとされ、多くの湯治客を受け入れてきました。
明治期までは茅葺きの建物が並んでいましたが、1912年の大火でほぼ全戸を焼失するという被害に遭いました。
しかし温泉地としての需要が高かったことから数年で復興を遂げ、昭和に入ると全国でも珍しい共同浴場の無料開放が行われました。
大正から昭和初期にかけて温泉地として大きく発展し、当時走っていた大湯線の湯平駅前には多くのタクシーが並ぶほどの繁栄を見せました。
昭和期には、別府温泉に次ぐ九州で第2位の入湯客数を記録し、西日本の代表的な療養型温泉としての地位を確立しました。
その後、1959年には環境省から国民保養温泉地に指定され、温泉利用の効果が期待できる健全な温泉地としての要件を満たしています。

昭和5年には俳人の種田山頭火がこの地を訪れ、石畳通りなどに句碑が残されているほか、映画「男はつらいよ」のロケ地としても使用されました。
現在でも一部には当時の木造四階建ての旅館の建物が残されており、温泉街を歩くことでその長い歴史を肌で感じることが可能です。
※ ※ ※
日本国内に存在する歴史的な温泉地は、それぞれが固有の泉質や景観、文化を保持しています。
ただ入浴するだけでなく、外湯めぐりや朝市、石畳の散策など、その土地ならではの生活様式を体験することは、現代における新しい旅の価値を生み出しています。
古くから続く湯治の文化や建物を維持しながら、現代の環境に合わせて観光客を受け入れるこれらの温泉地は、今後も地域社会において重要な役割を果たしていくと考えられます。
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