ロールスが変身してメルセデス「SLRマクラーレン」に! 「魔法使いの弟子」はニコラス・ケイジのこだわり満載【映画の名車】
ロールス・ロイスが「SLRマクラーレン」に変身!
子供はもちろん大人にも愛されるディズニーのファンタジー映画。アニメーションはもちろん、実写作品でも愛と夢と冒険がいっぱいの魅力的な作品たちが数多く制作されてきた。今回はその中のひとつ、2007年に公開された『魔法使いの弟子』を紹介しよう。
史上最悪の魔女モルガナ・ル・フェイとの闘いの中で命を落とした、偉大なる善の魔法使いマーリン。その最高位の弟子で、不老の術を授けられたバルサザール(ニコラス・ケイジ)は、1200年以上もの間、モルガナとその配下“モルガニアンズ”の復活を防ぐべく、マーリンの後継者を探して世界中を旅してきた。
そして現代のニューヨークにて、ついにマーリンの後継者たるデイヴ(ジェイ・バルチェル)と出会う。突然の出来事に困惑するデイヴの意志をよそに、バルサザールは彼を自分の弟子とし、モルガニアンズと闘うための魔法を授けようとする。
選ばれし者のはずのデイヴは、物理オタクの冴えない大学生。そんな彼に、かつてバルサザールの手で入れ子人形のかたちをした魔法の監獄“グリムホールド”に封じ込められていたモルガニアンズたちの魔の手が忍び寄っていた。彼らの目的はモルガナを完全蘇生させ、この世を闇の世界に塗り替えることだった。かくして残忍な魔法使いたちと善なる魔法使いたちのとの大戦争に、マンハッタンの街が巻き込まれていくことになる……。
この作品は、ディズニー創生期たる1940年公開の傑作アニメ映画『ファンタジア』のエピソードのひとつである『魔法使いの弟子』をベースとしたもの。公開当時の報道によると、制作・主演を務めたニコラス・ケイジ本人が持ち込んだ企画であり、「子供の頃に感銘を受けた『ファンタジア』を現代の子供たちにも見て欲しいと思って制作した」とのことである。
●ニコラス・ケイジらしい車の選び方
もうお分かりだろう。ハリウッドきっての自動車通であるニコラス・ケイジが企画した映画である以上、素晴らしいクルマが登場するのは自明の理。
マンハッタンを舞台とするカーチェイスシーンでは、バルサザールがこよなく愛するクラシックなロールス・ロイスが登場するのだ。1935年型といわれるこのクルマ、戦前型R-Rでは最高傑作とされる「ファンタムII」シャシに、フーパー製の美しいフィクスドヘッドクーペ・ボディが架装された珠玉の1台なのだが、さらに魔法使いの愛車らしくメルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン ロードスター」へと変身。モルガニアンズがメルセデス・ベンツのSUVから変身させたフェラーリ「F430」とともに熾烈なアクションを展開するという、極上の“自動車映画”としての側面も与えられているのだ。
●劇中車:メルセデス・ベンツSLRマクラーレン ロードスター
2004年、往年の名車300SLRをオマージュし、当時F1でジョイントしていたメルセデスとマクラーレンの共同プロジェクトで誕生したSLR。ロードスターや722エディション、スターリング・モスなど数々のバリエーションを生んだ。
『THE SORCERER’S APPRENTICE/魔法使いの弟子』
公開年:2007年
上映時間:109分
監督:ジョン・タートルトープ
出演:ニコラス・ケイジ、ジェイ・バルチェル、アルフレッド・モリナ