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軽く4億円オーバー!! 「F40」以上に価値があるフェラーリ「288GTO」の「GTO」は何を意味する?

わずか272台しか生産されなかった伝説のフェラーリ「288GTO」の落札価格は?

 2022年2月のRMサザビーズ「PARIS」オークションに出品されたフェラーリ288GTOは、1960ー70年代にかけて、レーシングドライバーとしてサーキットレースやヒルクライムで大活躍し、現役引退後は珠玉のスポーツカー/スーパーカーの数々を蒐集したフランス人コレクター、マルセル・プティジャン氏の膨大なコレクションのひとつである。

わずか272台しか製造されなかった「288GTO」は、オークションマーケットに登場することも非常に稀だ(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
わずか272台しか製造されなかった「288GTO」は、オークションマーケットに登場することも非常に稀だ(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

 シャシナンバーを示す17桁のVINコードは「ZFFPA16B000055169」。1970年代に歴代のBMW、たとえば「2002」や伝説の「3.5CSL」などを駆ってヨーロッパのツーリングカーレースで名をはせたドイツ人ジェントルマンレーサー、ベップ・マイヤーに納車されたものとされる。

 マイヤーは、エアコンディショナーやパワーウインドウ、ラジオを装備し、外装色にロッソ・コルサ、内装にネロ・レザーを選択するなど、フェラーリのオーダーシートに添付されるオプションリストのわずかな項目にも、遠慮なくチェック印を入れたようだ。

 マイヤーはこの「#55169」を2年間所有したのち、スイス在住のオーナーに売却した。そして3代目となる現在のオーナー、プティジャン氏への売却時には、フェラーリの正規代理店である「オートハウス・アルフレッド・ゴーム(Autohaus Alfred Gohm)」が、新車からの走行距離6986kmと、社主であるゴーム氏が用意したドキュメント一式によって、納車前のフルサービスを実施したことが確認できる。

 ただし、1998年12月にプティジャン・コレクションに加わって以来、この288GTOはほとんど使用されなかったため、この30数年間での走行距離は約2600km程度。オリジナルのツールセットも未使用状態で積まれている。

●元祖スペチアーレ・フェラーリは4億円をはるかにオーバー!

 もともとプティジャン氏は、自身のミュージアムを建設するために数多くのスーパーカーを蒐集していたそうで、この288GTOも展示用として長らく不動状態のまま所蔵されていたとみられている。したがってフェラーリに相応しい走りのコンディションを取り戻すためには、とくにエンジンや燃料系、潤滑系に電気系などあらゆる部位で大幅なリニューアルを必要としているのは間違いない。

 偉大な250GTOの名跡を継ぐモデルとして誕生した288GTOは、フェラーリをスーパーカー業界の盟主に至らしめた偉大なモデル。また、わずか272台しか製造されなかったことから、そのあとに続く「F40」「F50」「エンツォ・フェラーリ」、そして「ラ・フェラーリ」よりもはるかにレアでもある。

 とりわけ、まだ3代目のオーナーのコレクションに収まり続けているこの個体は、新車として作られてからわずか9559kmしか走っておらず、現存する288GTOの中でもっとも優れた1台と公式WEBカタログには記されていた。

 RMサザビーズ欧州本社はプティジャン・コレクションとの協議の結果、超高額の落札が見込まれるこの種の出品物では珍しく、今回の出品を「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」でおこなうことを決定。エスティメート(推定落札価格)は240万~260万ユーロ(邦貨換算約3億2000万〜3億4600万円に設定した。

 この「リザーヴなし」という出品スタイルは、安値でも落札されてしまうリスクもある一方で、とくに対面型のオークションでは確実に落札されることから会場の空気が盛り上がり、ビッド(入札)が進むというメリットもある。

 実際の競売ではリスクを冒した賭けが成功したのか、エスティメート上限をも大きく上回る346万4375ユーロ、つまり日本円に換算すれば約4億6000万円という驚くべき高価格での落札に至ったのである。

* * *

 ちなみに、1962年にレースデビューした伝説的コンペティツィオーネ「250GTO」で、初採用された「GTO」という名前について。

 250GTOのあと、北米GMのポンティアックや日本の三菱自動車でも同じネーミング(あえて真似したとはいわないが……)を名乗るモデルが現れるなど、世界中のエンスージアストに絶大なインパクトを残したことでも有名である。

 フェラーリが命名したこの「GTO」の意味は、「Gran Turismo Omologato(ホモロゲートされたグラントゥリズモ)」のイニシャルからとられたものである。

Gallery 【画像】レース参戦が大前提で開発されたフェラーリ「288GTO」を見る(32枚)
「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

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