VAGUE(ヴァーグ)

もはやロレックスの弟分ではない! 「チュードル」あらため「チューダー」が放つオールブラックモデルのクロノグラフは予想以上の高値で落札!!

独自路線を歩みだした名門・チューダー

 日本での正式な取り扱いがなくなった1970年代以降、並行輸入という形でしかお目にかかることがなかったチュードルが、チューダーとして再上陸を果たしているのはご存知のとおり。

 そもそもチューダーは、ロレックスを創業したハンス・ウイルスドルフによって立ち上げられた姉妹ブランド。高級路線のロレックスと多くのパーツや技術を共有した高性能ウオッチを、より多くの人に使ってほしい。そんな思いが反映されて誕生したのが、チューダーだったのである。

 性能を落とさずに値段を下げることができたのは、自社製ではなく汎用のETAムーブメントを採用していたからだった。それが良くも悪くも廉価版ロレックス的なイメージに繋がるのだが、近年は自社製ムーブメントを持つモデルも登場し、ロレックスとは違う魅力を持つ独創的なブランドとして注目を集めている。

2019年に販売されたReference M79360DK-001 Black Bay Chrono Dark。トレンディなオールブラックモデルとして登場した限定モデルだ(C)2021 Sotheby’s
2019年に販売されたReference M79360DK-001 Black Bay Chrono Dark。トレンディなオールブラックモデルとして登場した限定モデルだ(C)2021 Sotheby’s

●オールブラックなブラックベイクロノ・ダーク

 ブラックベイは、現行チューダーのスポーツライン。チューダーが歴々と作り続けてきたダイバーズウオッチのアップデイト版であり、日常でも気兼ねなく使えるタフでスタイリッシュなシリーズである。

 2017年に誕生したブラックベイクロノはクロノグラフを搭載するモデルだ。伝統的なダイバーズスタイルの41mmケースや2カウンターを持つ文字盤、そしてチューダーの象徴であるスノーフレーク針といった伝統的な意匠を持ち、200m防水や70時間のパワーリザーブといった現代的な実用性を実現したハイブリッドである。

 いわばロレックスにおけるデイトナ的な立ち位置のクロノグラフであり、コストパフォーマンスの高いブランニューモデルとして購入できるのだから人気を集めるのも大いに理解できるが、それだけで終わらないのが新生チューダー。

 なんと、最近のトレンドとして無視することのできない全黒バージョンの登場である。チューダー・ブラックベイクロノ・ダークは、ステンレスケースにPVD加工を施すことで漆黒に仕上げられた“オールブラックモデル”なのだ。

 深みのあるマットな仕上がりは、ともすれば単調な雰囲気に陥りがちなオールブラックデザインに精悍さを与え、レトロなディティールを持つボディをモダンに変身させている。それは、伝統だけに縛られないという名門ブランドが示した意思表示のようにも映るのである。

 サザビーズのオークションでのハンマープライスは、5000〜7000ドルという事前予想を上回る7560ドル(邦貨換算約87万円)。

 ラグビーW杯2019年大会のニュージーランド代表であるオールブラックスとのコラボ、しかも数量限定モデルであることを考えれば、そのプレミア価格も致し方なし。むしろ、良心的な上げ幅に収まっているのを密かに喜ぶべきか。

 ロレックスの代わりに……ではなく、チューダーだから欲しい! という時代の到来を実感できるレアモデルである。

●製品仕様
・リファレンス:M79360DK-001
・年式:2019年
・ケース径:41.0mm
・ケース:ステンレススチール/PVDコート
・ストラップ:ステンレススチール/PVDコート
・文字盤:ブラック
・ムーブメント:Cal.MT5813オートマティック/41石
・付属品:ボックス/保証書/タグ

Gallery 【画像】「チュードル」ではなく「チューダー」のオールブラックのクロノグラフを見る(8枚)
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