たった1人のオーナーに納車された8台のブガッティのラインナップは? 記念碑的「ヴェイロン」「シロン」に6人の子供へのクルマだった!?
ブガッティの至高の本社納車プログラムのハイライトとは?
エットーレ・ブガッティが愛馬を飼っていたという美しい厩舎から、複雑な設計のオランジェリー(果樹園)まで、オーナー一家はまずシャトーの敷地内を案内されると、控えめなドアから室内へと歩を進めた。そこには「タイプ41ロワイヤル」や「タイプ35レーサー」など、貴重な歴史的なブガッティ車が並び、その後に最新のアトリエに案内され、そこで現行モデルが手作業で製作される工程を見学する。

●2台のブガッティ金字塔モデル
ツアーの最後に用意されていたのは、シャトーの階段の下にミリ単位の精度で並べられていた、8台のブガッティ車との対面だった。シロン・スーパースポーツ300+はシルクのカバーで覆われており、この日のためにモルスハイムを訪れていたオーナーの友人であるテストドライバーのアンディ・ウォレス──2019年にこのシロン・スーパースポーツ300+で490.484km/hの最高速を達成した(それは最高速で300マイルの壁を超えた初の市販プロダクションモデルとなった)──の手によってスタートボタンが押されると、リアミッドの8リッターW型16気筒エンジンが始動。同時に感動的なアンヴェールがおこなわれた。
シロン・スーパースポーツ300+は、「ヴェイロン・ワールド・レコード・エディション」や、「ヴェイロン・グランスポーツ・ヴィテッセ・ワールド・レコード・エディション」に続く、究極のブガッティともいえるモデル。今回オーナーが新たに手にしたグランスポーツ・ヴィテッセ・ワールド・レコード・エディションは、ブガッティの本社のみで運営されている認証プログラム、「ラ・メゾン・ピュール・サン」によってモデルの真正性やレストア、オプションの再構成などがおこなわれた、まさに生まれ変わった新車ともいえるモデル。今後はブガッティにとって、そのビジネスもさらに大きく拡大するに違いない。
一方、6台のベイビーIIは、2018年のブランド生誕100周年を記念して500台が限定生産された「タイプ35」の75%スケールモデル。そもそもは1926年にエットーレが息子のジャンに自動車の運転を体験させるために50%のスケールで製作したものがベースだが、このザ・リトルカー・カンパニー製のベイビーIIも、そのクオリティはほかのブガッティ車と何ら変わるところはない。
ちなみにベイビーIIには、スタンダードモデルのほかに、ヴィテッセ、ピュール・サンの各グレードが存在し、ベースモデルは4kW、ほかは10kWのエレクトリックモーターで走行する。最高速はヴィテッセとピュール・サンでは68km/hに達するというから、大人でも十分に楽しめそうなモデルだ。ただし500台の生産枠はすでに完売しているという。
父とともにモルスハイムを訪れた6人の子供は、いずれもこのベイビーIIの走りをシャトー・サン・ジャンの敷地内で楽しみ、そして父もまたヴェイロン・グランスポーツ・ヴィテッセを試乗したという。これほどまでに強い絆で結ばれた自動車メーカーとオーナーの姿は、さすがにブガッティと納得させられる。
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