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それでも欧州は「EVシフト」!? ウクライナ侵攻によるエネルギー価格高騰でクルマの未来はどう変わる?

クリーンな液体燃料「シンセティックフューエル」とは?

 たとえばIEA(国際エネルギー機関)は、大気中から直接CO2(二酸化炭素)を取り出す技術であるダイレクト・エア・キャプチャーに関する資料を2021年11月に発表。このなかでシンセティックフューエルの可能性について触れています。

2021年、世界で一番販売されたEVがテスラ「モデル3」で、50万713台と前年比プラス37%だった
2021年、世界で一番販売されたEVがテスラ「モデル3」で、50万713台と前年比プラス37%だった

 シンセティックフューエルとは、直訳すれば「合成燃料」ですが、ここでは特に大気中から集めたCO2を水素と化合させて生成する燃料のことを指しています。

 ここで作ったシンセティックフューエルを内燃エンジンの燃料として用いれば、燃焼時にCO2を発生しても、そもそもシンセティックフューエルは大気中のCO2を集めて作ったものなので、全体でみればカーボンニュートラルを実現できており、地球温暖化を防げるというのです。

 シンセティックフューエルの実用化には、大量のCO2を低コストで大気中から取り出す技術の確立が不可欠で、これには多くの課題が残されていますが、それでも夢のような技術であることは間違いありません。

 いずれにせよ、シンセティックフューエルにはいくつものメリットがあります。

 たとえば、既存の内燃エンジン車にちょっとした改造を施すことでシンセティックフューエルが使えるようになれば、世界中に何億台と存在する既存の内燃エンジン車を無駄にしなくて済みます。

 これは、ゴミ処理問題や地下資源の有効活用という観点から考えても好ましいものです。

 また、高価なEVを買う必要がなくなるという意味では、決して裕福とはいえない人々が自動車を使い続けることにも役立ちます。

※ ※ ※

 筆者(大谷達也)は、自動車の全面EV化を政治主導で推し進めることにはかねがね疑問を抱いてきました。

 自動車メーカーが「我々は100%EV化します」と宣言するのは自由です。なぜなら、その責任を負うのは、自動車メーカー自身だからです。

 けれども、政治家が現段階で全面EV化を推進し、内燃エンジン車の販売を禁止するのは、ポピュリズムと非難されても仕方がないように思います。

 なぜなら、数億台にものぼる内燃エンジン車をすべて廃棄し、それに代わるEVを生産することへの環境負担がどの程度になるかがまだ厳密には解明されていないほか、大量のEVを走らせるのに必要な発電施設や充電施設をどうやって用意するのかの議論も不十分なように思えるからです。
 
 EVに関しては、まだまだたくさんの話題があります。それらについては、順を追ってご紹介することにしましょう。

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