それでも欧州は「EVシフト」!? ウクライナ侵攻によるエネルギー価格高騰でクルマの未来はどう変わる?
拙速なEV化への動きが減速し始めている
ロシアによるウクライナ侵攻は自動車産業界にもさまざまな影響を与えています。
まず、西側諸国がロシアへの制裁措置として原油や天然ガスなどの輸入を制限したため、エネルギー価格が上昇。いまやヨーロッパではガソリン1リッターが300円を超えることもあるほか、電気代も高騰し、エンジン車か電気自動車かにかかわらず、自動車を走らせることへのコスト負担が急激に重くなっています。
また、ウクライナには自動車用ハーネス(配線)を生産する工場が数多くあり、これらが操業停止や減産などに追い込まれているようです。
じつは、地理的に近いドイツの自動車メーカーは、ウクライナ製のハーネスを少なからず使っており、これがドイツ車の生産に暗い影を落としている模様。
そうでなくとも自動車産業界は半導体不足で生産が滞っているので、ウクライナ侵攻は彼らにとって「泣きっ面に蜂」というべき状況です。

今回、編集部から与えられた“お題”は、「ウクライナ侵攻に起因するエネルギー不足などによりEV化に翳りが見えているのでは?」というものでしたが、石油製品を含めたエネルギー全般の価格が高騰しているいま、単にEVだけでなく自動車産業界全体が窮地に追い込まれているように思います。
それでも、拙速なEV化への動きが減速し始めていることを示すいくつかの兆候が見られるのは事実です。
たとえば私は先日、スペインでおこなわれたランボルギーニの国際試乗会に参加しましたが、そこで同社の会長兼CEOであるステファン・ヴィンケルマン氏は次のような話を聞かせてくれました。
「私たちは今後、フルEVを発売します。ただし、当面は『アヴェンタドール』や『ウルス』のようなスーパースポーツカーではなく、まず2+2シーターのGTカーを発売し、続いてSUVのウルスをフルEV化します。
いっぽうで、もしもシンセティックフューエル(後述)が世界的に利用可能になるのであれば、2030年以降もハイブリッドモデルを生産し続ける可能性を否定しません。それが決して容易ではないことは承知していますが、そうなればいまある内燃エンジンを使い続けることが可能になります」
これは「フルEV化されたとき、ランボルギーニはエンジン音に代わるものをどうやって生み出すのか?」という文脈のなかで語られたことなので、必ずしもどのメーカーにもあてはまる話ではありませんが、ここのところシンセティックフューエルが注目されているのは紛れもない事実でしょう。
page
- 1
- 2
VAGUEからのオススメ
ポータブル電源が都心で過ごす夜を変える──Jackeryがかなえる“オフグリッド”なスポーツ観戦【PR】