プチ移住で活躍するクルマは何? 移住者はなぜスバル車を推すのか? 東京と南房総「夢の2拠点生活」を満喫する秘訣とは
東京から鴨川へ移り住み、鴨川に足りない拠点を創出
昨今、新しい働き方などが広まった結果、都市部を離れて地方に完全移住したり、地方にセカンドハウスを構えたりする人が増えています。さらに現在、都市圏に暮らしている人の3割弱が地方への移住に関心を持ち、そのうち半数程度はすでに移住へ向け検討・準備をおこなっているとの調査結果もあるなど、今後、都市部を離れて地方に暮らす人がますます増えそうな気配です。
そうした里山ライフに欠かせないアイテムが、実はクルマなのだとか。そこで、里山ライフに憧れる『VAGUE』編集部員が、すでに移住生活を送っている人に「2拠点生活」を満喫するためのクルマ選びを教えてもらうべく、里山へとスバル車を走らせました。

近年、地方移住者や2拠点生活を送る人々に人気のエリアが千葉県の南房総です。海流の影響などで冬は暖かく夏は涼しいこの地は、都心からもクルマで1時間強というアクセスのよさも魅力。気軽に山と海、双方の自然に親しめることから、移住生活を夢見る人たちの憧れの地となっています。
今回、訪ねたのは、東京の都心から千葉県鴨川市へと移住した藤井照久さん。藤井さんは25歳までアルペンスキーの選手として活躍する傍ら、日本楽器(現ヤマハ)のスキー部門で開発業務を担当、その後、本田技研工業へ転職してロボットや航空機の基礎技術研究を手掛けたほか、F1エンジンの開発予算管理業務を担当します。
その後独立した藤井さんは、1990年にSiFo(シーフォ)という会社を設立。同社はレース部品やルノースポール製競技パーツの日本での販売、輸入車の排出ガス試験・認証業務を手掛けるスペシャルショップです。また1998年には、全日本GT選手権に「ルノースポール スピダーGT」で参戦したほか、2003年にはル・マン24時間耐久レースにポルシェ「911GT3」で参戦するなど、さまざまなチャレンジを続けてきました。
そんな藤井さんが南房総に移住したのは、2016年のこと。愛犬の生活に自分を合わせるためにはどうすべきか? との思いから、SiFoの本社ともども鴨川に移り住んだといいます。そして、鴨川で見つけた敷地面積約6000坪という広大で日当たりのいい土地に、独立国を名乗るPrincipauté de Monaca=“モナカ公国”を建国します。
モナカ公国内には、藤井さんの愛犬の名がつけられた「松五郎邸」と呼ばれるゲストハウス、太陽光発電所を兼ねたネコ小屋、ビザならぬ“ピザ”を発給する入国管理局(ピザ窯)、事務棟、そして藤井さんの居住スペースを兼ねたガレージなどが点在しています。
当初の予定では、メインガレージ前に広がる芝生エリアに自宅を建てる予定だったと振り返る藤井さん。しかし、景観を損ねるとの理由から建設を中止したといいます。
「現在は、ガレージ脇にあるちょっとしたスペースに暮らしています。ベッドルームと風呂とトイレとキッチンさえあれば、十分快適に暮らせるじゃないですか。しかも天気がいい日は芝生エリアをオープンリビングとして使えるので、とても心地よく過ごせます。
居住スペースは、敷地内で伐採した厚い無垢の木とポリカーボネート製パネルを組み合わせて壁にしたせいか、冬は寒くないし夏も暑くないんです。この土地ならではの風通しのよさも過ごしやすさにつながっているかもしれません」(藤井さん)
さらに藤井さんは、「移住したことでこのエリアに足りないものが見えてきました」と、2022年7月、地元の人たちが自由に集える場所「Hangar Eight」を開設。同施設はカフェ、レストラン、イベントサイト、アウトドアフィールドなど8つの機能を併せ持つ、まさに地域に暮らす人々と鴨川を訪れる人々の“格納庫”のようなポイントとなっています。
こうして「外から来た人にも寛容である点がこの土地の魅力です」と評価する鴨川で、藤井さんは1匹の犬と8匹のネコ、そして3頭のヤギたちと暮らしながら、アクティブな毎日を過ごしています。
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