VAGUE(ヴァーグ)

珍しい! サウナ室付き「キャンピングサウナバス」をレンタルしてみない?

“ととのう町”を目指してプロジェクトがスタート

 北海道・旭川の隣、当麻町で特殊電子管や除菌脱臭装置を製造するトウマ電子工業はカスタムキャンピングカービルダー「Touma Auto Project」(以下、T.A.P)の一面を持っており、昨年、T.A.Pと木育の町・当麻町がタッグを組み「当麻町ととのえバス」を完成させた。

 車両まるごとをサウナにした“サウナカー”や“トレーラーサウナ”は国内にも何台かあるが、サウナ室とダイネット、ギャレーを持つ“キャンピングサウナバス”はかなり珍しい。これをレンタカーとして利用できると知り、現地をたずねてみた。

 官民協働のプロモーション「全部ある当麻町プロジェクト」の一環として、村椿町長が“当麻町の自然の中でサウナを基軸とした観光振興、リラックスしながら仕事のできる空間を創造したい”と前澤友作さんのふるさと納税支援に応募したのが「当麻町ととのえバス」製作のきっかけだという。

乗車定員9人/就寝4人の「当麻町ととのえバス」
乗車定員9人/就寝4人の「当麻町ととのえバス」

木材も石もサウナストーブも当麻生まれ

 サウナ室にあるのはロウリュができる本格的なサウナストーブだ。

「薪ストーブやだるまストーブを使おうかとも思ったのですが、サウナストーブとは似て非なるモノでした。薪ストーブは全体が熱くなるのに対して、サウナストーブは本体の上に熱を集中させられる。だからロウリュができるんです。どうやって安定した温度を保てるか、どんなストーブが必要なのか。その研究からスタートでした」(トウマ電子工業 只野憲弥さん)

 サウナ室に必要な保温性については、ホテル向けの布団乾燥機車製造のノウハウが生きた。

「布団乾燥車はホテルを巡って、車内に布団を入れてまとめて乾燥するというもの。-20℃でもスイッチを入れてから30分以内に車内を100℃に上げなければなりませんから」(只野さん)

 一方、要となるストーブは試行錯誤の連続だったという。

 市販のサウナストーブを設置するだけでよさそうに思うが、使い勝手を考えて煙突を出す位置を決め、穴をあけたのに海外製サウナストーブは日本で手に入る煙突とは外径が合わなかった。しかも当時は、国内産の小型サウナストーブはなかった。そのため急遽、町内の世良鉄工にお願いしてオールステンレスのサウナストーブを作ってもらったのだから。

 もちろん「当麻町ととのえバス」はT.A.Pと世良鉄工だけで作っているわけではない。ストーブに載せる赤いサウナストーンはキャンプ場スタッフが掘り出した町内産だし、内装に使われている木は森林組合が協力している。ストーブ作り、石と木の調達、キャンピングカー設計など、まさに官民一体となってのプロジェクト。

 「当麻町ととのえバス」制作費はすべて民間事業者の投資で、前澤友作さんからの支援金は停留場所やオートキャンプサイトの整備に利用されているとのこと。サウナ以上の熱量が伝わってくる。

サウナストーンは「当麻町ととのえバス」を停留できる「とうまスポーツランド」スタッフが地面を掘りかえし、自ら洗って熱を加えて実験したという
サウナストーンは「当麻町ととのえバス」を停留できる「とうまスポーツランド」スタッフが地面を掘りかえし、自ら洗って熱を加えて実験したという

移動中から仲間と楽しく過ごそう

「移動中もみんないっしょに過ごせるようトレーラーではなくキャンピングカーにしました」と只野さん。

「当麻町ととのえバス」はコースターベースのキャンピングカーを改造しており、乗車定員9人/就寝4人。サウナルームへは最大5人が入室できる。ソファをベッドにすれば3人、サウナルームのベンチもひとり分のベッドになるのがおもしろい。

 ただ、これだけ広い車両なのに定員が少ないように思える。

「サウナ室の椅子は座席として認められず、定員をとれないんです。クッションがあって、布でくるまれているのがキャンピングカーの椅子。サウナ室の椅子は木がむき出しでキャンピングカーの椅子に見えないから、と言われました」(只野さん)

4〜5人で利用できるサウナルーム。町内の木を用いておりふんわり木の香りが漂う
4〜5人で利用できるサウナルーム。町内の木を用いておりふんわり木の香りが漂う

 そこで当初はサウナ室の前にシャワールームとギャレーを設置していたが、ギャレーを前に移して、車外でシャワーができるように変更した。シャワールームをなくすことで定員を確保したのだ。

「当麻町ととのえバス」は普通免許(平成29年3月12日以降の免許取得者は準中型自動車免許以上)で運転できる。コースターベースなので運転には度胸が必要、無理は禁物だが慎重に運転すればなんとかなりそう。バックカメラを搭載しているのも頼もしい。

 この冬、”ととのう”町・当麻の雪降る森でキャンプを楽しみ、サウナで汗を流したら雪上にダイブ!「当麻町ととのえバス」でそんなとっておき体験をしてみてはどうだろう。

「Touma Auto Project」公式サイト

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